※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。
Xさん(30代)
相談者 | Xさん(孫2人) |
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相続人 | 代襲相続人Xさん、Aさん、Bさん |
被相続人 | 93歳で死亡(女性Kさん) |
遺産 | 不動産及び預貯金2億円程度 |
相談の経過
Xさんたちは、祖母であるKが死亡し、他の相続人であるAさんたちと話し合いをしようとしましたが、資料を開示してもらうことができませんでした。
また、不動産が空港の土地であり、その分割が難しいなど技術的な問題も多く含んでいました。
そこで、困ったXさんは、今後のことについて、弁護士に相談し、依頼をしました。
弁護士の関わり
Xさんたちから相談を受けた弁護士は、資料を開示しないAさんたちに資料を請求するとともに、弁護士が代理で資料を集めて、相続財産を確定させることにしました。
また、集めた資料からは多額の引出しも見られたため、その引出がKの意思に反して行われたものではないかも病院等に診療録等を請求することで確かめることにしました。
さらに、遺産分割協議にあたっては、遺産の多くを占める空港の土地の分割等について問題が生じる可能性が高いこと、相続税の納付にも影響が出てくる可能性があることなどが判明していたため、司法書士、家屋調査士、及び税理士と連携をして、遺産分割を行った後の相続税の申告や不動産の分割手続きについて進めていくことにしました。
一方、弁護士が入った後は、Aさんらも資料を開示してくれ、分割にも協力的であったことから、事案をスムースに進めることができたのです。
以上のことを踏まえて、弁護士は、遺産だけではなく生前の引出しについても検討したうえで、相続税などの申告に間に合わせるために様々な手続きを他士業と連携して行うことで、速やかな遺産分割とその実行をすることができたのです。
これにより、遺産分割は手続きも含めて半年程度で終了し、相続税の申告も無事に終えることができました。
補足
遺産分割手続きは、相手方との折り合いをつけるのが難しいという面もありますが、それだけではなく、税金の問題や登記の問題など様々な問題が絡まりあっていることが多々あります。
手続は多岐にわたり、その時間も多くかかることになりますから、遺産分割協議後に手続を始めると、とても間に合わないということになりかねません。
そのため、早期に手続の目途をつけておかなければ、思わぬところで不利益を受けかねないことになります。
また、遺産分割協議の内容によっては、相続税以外にも贈与税や譲渡所得が発生することすらあり、それらを踏まえない協議は大変危険です。
当事務所では、税理士資格も持つ弁護士が対応していますので、その点もしっかりと検討したうえで、Xさんたちにとって不利益のない解決をできました。
加えて、資料を開示しないと言っている相手方でも、弁護士が介入することによって、速やかに資料を開示してもらうことができたり、資料を調べることで遺産分割の手続を進めることができるという事案は少なくありません。
今回も、そのような事案で、弁護士が入ることでスムースに資料の開示を受けることに成功しました。
重ねてになりますが、相続の手続をするためには多岐にわたる知識が必要になり、時には弁護士だけではなく他士業との連携が必要になる場面があります。
その場合でも、弁護士が連携が必要だと気付けるか、最低限の知識を有しているかどうかで依頼者の不利益を防げるか変わってくることがあります。
このような不利益を防ぐためには、まずは相続に強い弁護士に相談することが解決への第一歩となります。