遺留分侵害額の請求をされたら、絶対に無視することなく、相続に強い弁護士に相談することをおすすめします。
この記事では、遺留分侵害額の請求を弁護士に相談するメリット、遺留分侵害額請求をされた場合のポイントや対処方法などについて、相続にくわしい弁護士がわかりやすく解説します。
目次
遺留分を請求されたらどうする?
遺留分(いりゅうぶん)を請求された場合には、相続に強い弁護士に相談することを強くおすすめします。
遺留分の請求を無視すると、訴訟などに発展するなどして大きな不利益を受ける可能性があるため、絶対に無視してはいけません。
弁護士に相談する際には、相続に強い弁護士を選んで相談することが大切です。
弁護士にはそれぞれ専門分野があり、遺留分の請求を含む「相続」の分野は高度の専門知識と経験が必要になる分野だからです。
相続に詳しくない弁護士に相談してしまうと、かえって時間と労力がかかってしまったり、相手の過大な請求に応じる結果となってしまったりする可能性があるため、注意が必要です。
遺留分侵害額請求を弁護士に相談するメリット
遺留分侵害額請求を受けた場合に弁護士に相談するメリットとして、以下の5つをあげることができます。
遺留分を侵害しているか助言してくれる
相続に強い弁護士に相談することで、遺留分を侵害している事実があるのかについて適切な助言をもらうことができます。
仮に遺留分を侵害しているという事実がなければ、遺留分侵害額請求に応じる必要はありません。
したがって、遺留分の請求を受けた場合、まずは、本当に遺留分を侵害しているのかを確認することが大切です。
ただ、遺留分の侵害を確認するためには相続法に関する専門知識が必要となるため、一般の方が自力で確認するのはなかなか大変です。
自己判断で対応する場合には、必要以上の金銭を支払ってしまうリスクや、遺留分の侵害がないと判断して請求を拒否した結果、訴訟などのトラブルに発展してしまうリスクなどがあります。
特に、被相続人(亡くなった方のことです。)から生前の贈与が行われているケースや遺贈が行われているケース、遺産に不動産や株式が含まれているケースなどでは、遺留分の計算がとても複雑になります。
相続に強い弁護士に相談し、遺留分を侵害しているかについて的確な助言をもらうことで、上記のようなリスクを回避することができます。
遺留分請求への対応方法を助言してくれる
相続に強い弁護士に相談することで、相手からの遺留分侵害額請求にどのように対処すべきかについて、適切な助言を受けることができます。
遺留分請求などの相続トラブルでは、対応方法を間違えると争いが激化したり、長期化したりする可能性があります。
相続に強い弁護士に相談することで、過去の経験や専門知識にもとづいて、個々の事案に応じた適切な対応方法についてアドバイスをもらえることが期待できます。
代理人として相手と交渉してくれる
相続に強い弁護士に相談・依頼することで、相手との交渉を代理してもらうことができます。
相続人同士のトラブルは、感情的な対立が生まれて話がこじれてしまったり、なかなか落とし所が見つからずに長期化してしまったりするケースが少なくありません。
法律の専門家である弁護士が間に入り、法的な観点から論点を整理することで、論理的な話し合いをできる可能性が高まります。
裁判所での調停や訴訟を利用してトラブルを解決することもできますが、調停や訴訟になってしまうと、解決までに長い時間がかかってしまのうが一般的です(一般的には解決までに半年前後、長い場合に解決までに数年もの時間がかかるといわれています)。
調停や訴訟を行う前に、まずは弁護士を通じた相手との交渉を行ってみるのがよいでしょう。
なお、請求の相手が弁護士に依頼している場合には、法律知識の差によって適切な反論をできずに言いくるめられてしまうリスクがあることから、対等な交渉をするためにも弁護士に依頼されることを強くおすすめします。
調停や訴訟も任せることができる
相続に強い弁護士に相談することで、相手との交渉がまとまらず調停や訴訟に発展した場合にも、調停や訴訟の代理をスムーズに任せることができます。
調停や訴訟を自力で行うことは不可能ではありません。
ただし、調停や訴訟の手続きでは、法律をよく理解した上で法律の要件に沿った主張をする必要があるほか、さまざまな書面を取得・作成したり、適切な証拠を集めて提出したりする必要があります。
適切な主張や反論をすることができずに不利な結果となってしまうリスクを避けるためには、調停や訴訟の手続きは相続に強い弁護士に依頼することをおすすめします。
早い段階から弁護士に相談しておけば、調停や訴訟に移行した場合に備えて準備をすることができるため、相手から遺留分の請求を受けた時点で相談されるのがおすすめです。
遺言執行者のサポートも依頼できる
遺言執行者(ゆいごんしっこうしゃ)とは、被相続人(遺言者)の残した遺言の内容を実現する人のことです。
遺留分の請求を受けている方(遺留分を侵害している方)が、被相続人(遺言者)から遺言執行者として指名されているというケースは少なくありません。
相続に強い弁護士に相談することで、遺言執行者としての職務のサポートをあわせて依頼することができます。
遺留分侵害額請求とは?
そもそも「遺留分」とは、被相続人(亡くなった方のことです。)の配偶者(妻・夫)、子ども、直系尊属(両親、祖父母等)に対して法律で保障されている、遺産の最低限の取り分のことです。
遺留分がどのくらい保障されるのかは、誰が相続人になるかによって異なります。
例えば、被相続人の配偶者(妻)と子ども(長男・長女)が相続人となる場合、妻の遺留分は遺産の1/4、子ども(長男・長女)の遺留分はそれぞれ、遺産の1/8ずつです。
遺留分は遺言書などによっても奪うことができない、非常に強い権利です。
遺留分を侵害された人は他の遺産を相続した人に対して、侵害された金額に相当する金銭の支払いを請求することができます。
この金銭の支払請求のことを、「遺留分侵害額請求」または「遺留分の請求」といいます。
上にあげた事例で、被相続人の長男が一切の遺産をもらえなかったという場合には、長男の遺留分が侵害されています。
この場合、長男は妻と長女に対して、遺留分侵害額の請求をする(金銭の支払いを求める)ことができます。
遺留分侵害額請求は口頭で行われた場合で有効ですが、後々のトラブルを防ぐために内容証明郵便等の記録に残る形で行われるのが一般的です。
遺留分侵害額の請求をされた場合に確認するべきこと
この項目では、遺留分侵害額の請求をされた場合に確認すべきポイントについて解説します。
相手が遺留分権利者か確認する
遺留分侵害額の請求をされた場合には、まずは相手が遺留分権利者にあたるか(相手が本当に遺留分を請求する権利をもっているのか)を確認することが大切です。
法律で遺留分を保障されている人(「遺留分権利者」といいます。)の範囲は以下のとおり、相続人の一部に限られています。
遺留分権利者以外からの請求は、拒否することができます。
- 被相続人の配偶者(妻・夫)
- 被相続人の子ども
- 被相続人の直系尊属(両親・祖父母など、縦のラインでつながる上の世代の親族のことです。)
被相続人の兄弟姉妹や叔父・叔母、内縁(事実婚)の妻や夫などは、遺留分権利者にあたりません。
また、もともとは遺留分権利者にあたる場合であっても、相続放棄や相続廃除、相続欠格などによって相続権を失った場合には、遺留分を請求することができなくなります。
遺留分の請求期限を確認する
遺留分侵害額請求には、以下のような請求の期限があり、これらの期限を過ぎた後は、遺留分を請求することができなくなります。
- ア 遺留分の侵害を知ってから1年
- イ 相続が発生してから(被相続人が亡くなってから)10年
アまたはイのいずれかの期限を過ぎてから遺留分の請求を受けた場合には、請求に応じる必要はありません(金銭を支払う義務はありません)。
そのため、遺留分の請求を受けた場合には、請求期限を過ぎていないかどうか(特にアの請求期限)をよく確認することが大切です。
請求されている遺留分の金額が適正か確認する
相手から請求されている遺留分の金額が適正なものであるとは限りません。
請求金額が過大な可能性もあることから、相手の言い分を鵜呑みにせず、遺留分の金額が適正なものかどうかをよく確認することが大切です。
遺留分の金額を確認する際に確認すべきポイントは次のとおりです。
遺産(相続財産)の評価額は適正か
遺留分の金額は、遺産(相続財産)の評価額をベースにして計算されます。
つまり、遺産の評価額が高ければ遺留分の金額も高くなり、遺産の評価額が低ければ遺留分の金額も低くなる、という関係にあります。
そのため、遺産(相続財産)の評価額が適正かどうかをよく確認することが大切です。
特に、不動産や株式などの財産は専門家でも評価が難しいといわれていることから、必要に応じて専門家に鑑定を依頼するなどしましょう。
請求者が特別受益を受けていないか
遺留分を請求している相手が被相続人から特別受益(とくべつじゅえき)を受けていた場合には、遺留分の計算にあたって特別受益が考慮され、遺留分侵害額請求の金額が低くなる可能性があります。
そのため、相手が特別受益を受け取っていないかどうかを確認することが大切です。
特別受益とは、被相続人が一部の相続人だけに特別に与えた利益のことをいいます。
例えば、結婚の際の支度金、独立開業資金の援助、 住宅購入資金の援助、土地・建物の贈与などが特別受益にあたります。
遺留分の計算は正確か
相手の請求する遺留分の金額について、法律(民法)のルールにしたがって正しく計算されているかを確認することも大切です。
特に、相手が弁護士に依頼していない場合には、遺留分の計算が誤っている可能性があります。
遺留分の金額が民法のルールに沿って正しく計算されているかをよく確認することが大切です。
遺留分侵害額請求に応じたくない場合どうする?
遺留分侵害額請求に応じたくない場合でも、絶対に請求を無視してはいけません。
状況に応じて、相手への反論や交渉などを行うことが大切です。
請求に応じたくないケースとして、以下のように2つのケースが想定されます。
- ① 相手の遺留分侵害額請求に理由がない(請求を争う)ケース
- ② 相手の遺留分侵害額請求に理由がある(請求は争わない)が、支払いにあてるお金がないケース
以下では、それぞれの場合の対処方法について解説します。
相手の請求に理由がない(請求を争う)ケース
そもそも相手には遺留分を請求する権利がない、請求されている遺留分の金額が過大である、などのケースでは、相手の請求に理由がないことを主張して争うことになります。
遺留分を請求する権利がないケース
以下のようなケースでは、相手にはそもそも遺留分を請求する権利がありません。
請求金額が過大なケース
遺留分の金額が過大なケースとは、上で解説したように、遺産(相続財産)の金額が過大に評価されているケースや、請求者の特別受益が考慮されていないケース、遺留分の計算を誤っているケースなどです。
このように相手の請求の全部または一部に理由がないというケースでは、次のように対処することが考えられます。
まずは、相手に請求には理由がないことを直接伝えて、請求をあきらめるように説得します。
話し合いの場では、法律(民法)上の根拠を示しながら、冷静な話し合いを行うことが大切です。
また、話し合いの経緯は、録音やメモなどの記録に残すとよいでしょう。
話し合いが難航する場合には、最終的に調停や訴訟で解決することになる可能性が高いといえますが、録音やメモは調停や訴訟の証拠として提出することができます。
当事者同士の話し合いで合意できた場合には、後から話を蒸し返されることのないよう、合意した内容を契約書や覚書・合意書などの書面にまとめることを強くおすすめします。
なお、当事者だけでは話し合いが円滑に進まない場合には、相続に強い弁護士に交渉の代理を依頼するのがおすすめです。
当事者同士の話し合い(交渉)でらちがあかない場合には、家庭裁判所での調停による解決を試みることになります。
一般的には、遺留分の支払いを拒否することによって、相手から「遺留分侵害額の請求調停」を申立てられるという流れになるでしょう。
この調停手続きの中で、相手の請求には理由がないことを主張します。
調停とは、裁判官1名と調停委員2名で構成する「調停委員会」が当事者の間に入り、当事者同士の合意による解決をめざす手続きです。
調停委員会は、中立の立場で当事者それぞれから言い分を聞いたり、当事者から提出を受けた証拠などを元に事実関係を把握するなどして、解決の落としどころを探ります。
調停委員会はあくまで中立の立場ですが、客観的な証拠から遺留分の請求には理由がないという心証をもったときには、調停委員会から相手に対して、請求をあきらめる(もしくは請求金額を下げる)ように一定の説得してくれる可能性があります。
そこで、調停の段階から、遺留分の請求には理由がないこと(例えば、遺留分の時効が完成していることなど)を裏付ける客観的な証拠を集めて提出することが大切です。
調停はあくまでも当事者の合意によって解決する手続きですので、当事者が合意できた場合には調停が成立しますが、合意できなかった場合には不成立に終わります。
調停の手続きによっても解決できなかった場合(調停不成立の場合)には、最終的に訴訟で解決することになります。
通常は、相手から「遺留分侵害額請求訴訟」の申立てを受けることになるでしょう。
遺留分侵害額請求訴訟は、請求金額に応じて、簡易裁判所または地方裁判所で行われます。
訴訟の手続きは調停の手続きと異なり、当事者が合意しているかどうかにかかわらず、遺留分の請求が認められるかどうかについて、「判決」という形で裁判官が判断を下します。
支払いにあてるお金がない(相手の請求に理由がある)ケース
相手の請求に理由がある場合には、遺留分の支払いに応じる義務があります。
もっとも、遺留分の支払いにあてるための金銭がない場合には、次のような交渉をすることが考えられます。
減額の交渉
支払いにあてる金銭がないことを説明し、支払う金額を減らしてもらう交渉(減額交渉)をする。
支払い期限猶予の交渉
手元にまとまった金銭がなく、金融機関などで金銭を借りるなどする必要がある場合には、準備期間が必要となることから、支払いの期限を後ろ倒しにしてもらう交渉をする。
分割払いの交渉
金銭を一括で支払うことが難しい場合には、分割払いの交渉をする。
相手がこれらの交渉に応じてくれた場合には、契約書や覚書・合意書などを作成して、後々のトラブルになることを防ぎましょう。
遺留分侵害額の請求をされたときのポイント
絶対に無視しない
遺留分侵害額の請求をされたときには、絶対に請求を無視してはいけません。
まずは相手の言い分をよく確認した上で、請求に応じるのか、それとも反論や交渉するのか、いずれかの対応をすることが大切です。
相手の言い分を鵜呑みにしない
遺留分侵害額の請求について、相手の言い分を鵜呑みにしてはいけません。
このことは、相手が弁護士に依頼している場合であっても同じです。
相手が弁護士に対して自分に有利な事情しか伝えていない場合には、正当な請求がなされていない可能性があります。
この記事で解説してきたように、本当に遺留分を請求する権利があるのか、請求金額は適正か、などを1つずつ丁寧に確認し、相手の言い分が正当なものかを十分に確認することが大切です。
相続に強い弁護士に相談する
遺留分侵害額の請求をされたときは、相続に強い弁護士に相談することを強くおすすめします。
相手の言い分の正当性を確認したり、適切な反論を行ったりするためには、相続法に関する専門知識が必要となります。
対処方法を誤って不利益を受けることを避けるためには、できるだけ早い段階で相続に強い弁護士に相談されることをおすすめします。
法律相談の相場は1時間あたり1万円前後であり、相続問題については初回の法律相談を無料としている弁護士もいますので、まずは法律相談を活用してみるのがよいでしょう。
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遺留分を請求されたときの弁護士費用
「弁護士費用」と一言にいっても、①法律相談料、②着手金、③成功報酬(報酬金)、④実費・日当、などの種類があり、各費用の金額は、基本的にそれぞれの弁護士が自由に決めることができます。
法律相談料
法律相談料とは、弁護士に正式な依頼をする前の相談(法律相談)をする際にかかる費用のことです。
法律相談では、問題解決の方向性や事案の見通しなどについて相談したり、弁護士費用の見積もりをもらったりすることができます。
法律相談料の相場は、1時間につき5000円 〜 1万円(税別)です。
遺留分の相談などの相続問題については、初回の法律相談料を無料とする弁護士も少なくありません。
着手金
着手金とは、弁護士に正式な依頼をする時点で支払う弁護士費用のことで、報酬の前払いとしての意味を持ちます。
着手金は、望む結果となったかどうか(遺留分を支払わずに済んだかどうか)にかかわらず返還されません。
着手金の計算方法や金額はケース・バイ・ケースであり、弁護士や事案の複雑さによって大きく異なります。
例えば、かつて日本弁護士連合会(日弁連)が定めていた基準((旧)日本弁護士連合会報酬等基準(以下「旧基準」といいます。)を参考に着手金の金額を計算するケースや、固定の金額(30万円〜)を設定するケースなどがあります。
成功報酬(報酬金)
成功報酬とは、結果(成果)に応じて支払う弁護士費用のことです。
成功報酬の計算方法や金額もケース・バイ・ケースですが、「得られた経済的利益の◯%」といった形で設定されるケースが多いといえます。
遺留分侵害額請求を受けた場合の「得られた経済的利益」は、以下のように計算されます。
得られた経済的利益 = 請求された遺留分の金額 – 支払義務があるとされた遺留分の金額
例えば、相手から1000万円の遺留分を請求され、判決で200万円の支払義務が認められたというケースで、成功報酬を「得られた経済利益の20%」と設定している場合の成功報酬は、以下の計算式より160万円です。
実費・日当
「実費」とは、弁護士が事案を処理するためにかかる必要経費のことです。
調停や裁判を行うときに裁判所に支払う手数料(印紙代)や切手代、コピー代、交通費・宿泊費などが実費にあたります。
「日当」とは、遠方への移動や裁判所への出頭など、弁護士を時間的に拘束する場合にかかる手当のことで、出張手当のようなものです。
日当は、「調停(裁判)1回出席につき◯万円」といった形で定められるのが一般的で、1回あたり5万円前後です。
※近くの裁判所等に出頭する場合には日当を請求しない弁護士の方が多いと思われます。
弁護士費用は安ければいいというものではありません。
まずは、法律相談を活用して弁護士の信頼度や弁護士との相性を確認するとともに、見積もりをもらって金額の納得感があるかを見極めることをおすすめします。
当事務所の弁護士費用はこちら
遺留分を請求された場合のQ&A
遺留分の請求に自分で対処できる?
しかし、この記事で解説してきたように、遺留分の請求については確認すべきポイントがたくさんあり、それぞれについて相続法に関する専門知識が必要となります。
そのため、一般の方が自分で的確に対処することはかなり難しいと思われます。
必要以上の金銭を支払ってしまったり、争いが長期化するなどの不利益を防ぐためには、相続に強い弁護士に相談することをおすすめします。
遺留分の請求を無視したらどうなる?
特に、訴訟を提起された場合に無視を続けていると、相手方の言い分を全面的に認める判決が出される可能性があり、この場合には遅延損害金をプラスで支払わなければならなくなる可能性があります。
さらに判決が出た後も無視を続けていると、相手が判決をもとに不動産や預貯金の名義変更手続きを進めたり、財産の差押えを受けたりするリスクがあります。
このように、遺留分の請求を無視することには大きなリスクがありますので、請求を受けた場合には絶対に無視せず、請求に応じる、反論・交渉をする、などの対応をすることが大切です。
まとめ
- 遺留分侵害額の請求をされたときは、相続に強い弁護士に相談されることを強くおすすめします。
- 遺留分侵害額の請求をされたら、絶対に無視してはいけません。
訴訟を提起されたり、最終的には財産について強制執行を受けたりするリスクがあるためです。 - 相続に強い弁護士に相談することで、遺留分の侵害があるかどうか、請求に対してどのように対処すべきか等の点について適切な助言をもらうことができます。
また、相手との交渉の代理や、調停や訴訟の手続きを依頼することもできます。 - 調停や訴訟に移行すると解決までに長い時間がかかってしまうことから、できるだけ当事者同士の話し合い(交渉)で解決するのがおすすめです。
- 遺留分侵害額の請求を弁護士に依頼する場合の費用はケース・バイ・ケースであり、事案の複雑さやそれぞれの弁護士によって大きく異なります。
法律相談を活用するなどして見積もりをもらい、事前に金額の納得感や弁護士の信頼度などを確認することが大切です。 - 当事務所では、相続に強い弁護士で構成する相続対策専門チームを設置しており、遺留分侵害額請求をはじめ、遺産分割協議、遺言書の作成、相続登記、相続税の申告・節税対策、その他相続トラブルなど、相続全般に関するご相談を承っています。
遠方の方についてはオンラインでご相談いただくこともできますので、ぜひお気軽にご相談ください。