「法定相続情報一覧図」とは、死亡した方(被相続人)の法定相続人は誰かというのを一覧図にしたものです。
法定相続情報一覧図は家系図のようなものですが、登記所(法務局)という公的な機関が内容を確認してお墨付きを与えてくれている点で単なる家系図とは異なります。
この記事では、法定相続情報一覧図がどのようなものであるのかや、必要書類、費用等について、相続に注力する弁護士がわかりやすく解説していきます。
法定相続情報一覧図とは
法定相続情報証明制度とは
法定相続情報証明制度とは、被相続人の法定相続人は誰であるか(相続関係)を法務局(登記官)が公的に証明してくれる制度です。
法定相続情報とは
法定相続情報とは、被相続人の法定相続人が誰であるかについての情報です。
相続人が「法定相続情報一覧図」を作って必要書類(登記簿謄本等)とともに登記所(法務局)に提出すると、登記官がその内容を確認します。
登記官は、提出を受けた法定相続情報一覧図と登記簿謄本等とを照らし合わせてその内容が正しいことを確認し、法定相続情報一覧図の原本を保管します。
登記所(法務局)に法定相続情報一覧図の原本を保管しておけば、相続人は申請日の翌年から5年間は何度でも写しを交付してもらうことができます。
法定相続証明制度は、平成29(2017)年に、相続登記(不動産の相続手続)を促進するために創設されました。
それ以前は、相続した財産の相続手続(不動産や銀行預金などの名義変更変更など)を行う際に、正当な相続人であることを証明するために、それぞれの相続手続ごとに戸籍謄本等の「書類の束」を提出していました。
「書類の束」の提出を受けた手続担当者(金融機関や公的機関)の側では、書類の束をもとに親族関係を読み解いて、手続申請者が相続人にあたるかどうかを確認していました。
法定相続情報証明制度では、登記簿謄本等の「書類の束」の代わりに法定相続情報一覧図を1部提出するだけで相続関係を証明することができます。
このように、法定相続情報証明制度は相続人と手続担当者の両方の負担を軽くすることを目的としています。
法定相続情報一覧図(法務局)の見本
法定相続情報一覧図とは、死亡した方(被相続人)の法定相続人は誰かというのを一覧図にしたもので、家系図と似ています。
言葉で説明しただけではイメージするのが難しいと思いますので、法定相続情報一覧図(写し)の見本を見てみましょう。
以下は、法務局のホームページに掲載されている法定相続情報一覧図(写し)のサンプルです。
法定相続情報一覧図のメリットとデメリット
法定相続情報一覧図を取得するメリットやデメリットはどのような点にあるのでしょうか。
メリット・デメリットを表にまとめてみました。
メリット | デメリット |
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以下では、それぞれのメリット・デメリットについて具体的に説明していきます。
メリット
相続手続の提出資料が少なくなる
法定相続情報一覧図を取得する場合、各種の相続手続において、戸籍謄本等の「書類の束」を提出する代わりに法定相続情報一覧図を1部提出すればよいため、提出資料が少なくなります。
複数の相続手続を行う際に提出資料の数が多いと、資料の抜け漏れがないかを手続ごとに確認しなければならないため大変です。
書類の束がなくなるだけで、提出資料の確認はかなり楽になるのではないでしょうか。
相続人の確認手続がスムーズになる
相続手続において法定相続情報証明制度を利用しない場合、相続手続を受け付けた公的機関や金融機関等の側では、提出を受けた書類の束から親族関係を読み解き、法定相続人を確認する必要があります。
これに対して、法定相続情報一覧図を提出する場合には、相続関係が図になっているためひと目で確認できるだけでなく、法務局(登記所)の公的な認証を受けていることから、相法定続人の確認をスムーズに行うことができます。
これにより手続担当者の負担が軽減されることから、手続にかかる時間が短縮されることが期待できます。
これは手続担当者だけでなく相続人にとってもメリットであるといえます。
無料で発行・再発行を受けられる
法定相続情報証明制度の利用申請をする際や、法定相続情報一覧図の写しを発行してもらう際に、費用はかかりません(無料)。
また、法定相続情報証明制度を申請した日の翌年から5年間は法定相続情報一覧図が登記所(法務局)で保管され、この期間内であれば何回でも無料で再発行を受けることができます。
複数の相続手続を同時に進めることができる
法定相続情報一覧図の写しは1部に限られず、必要な部数を発行してもらうことができます。
そのため、法定相続情報一覧図を複数の相続手続に利用する場合には、その手続の数に応じて発行してもらうことで、複数の相続手続を同時に進めることができます。
相続手続の際に提出した戸籍謄本等は返還してもらうことができますが、法定相続情報一覧図の写しを利用しない場合には、その返還を待って次の相続手続を行うことになります。
書類の返還を待つ余裕がないときには、相続手続の数に応じた戸籍謄本等の「書類の束」を取得して相続手続を同時に進めることもできますが、書類の束の取得には1セットあたり最低でも2000円程度の費用がかかります。
デメリット
作成に手間がかかる
法定相続情報一覧図を作成するためには、一度は戸籍謄本等を収集する必要があります。
そのため戸籍謄本等を収集するための手間がかかります。
また、相続人は収集した戸籍謄本等をもとに相続人の関係を読み解いて一覧図を作成しなければなりません。
特に、相続関係が複雑な場合には一覧図の作成に多くの時間と労力を割かなければならなくなる可能性があります。
取得までに時間がかかる
法定相続情報一覧図の写しは、法務局に法定相続情報制度の申出を行ってからすぐに発行してもらえるわけではありません。
申出から1〜2週間程度の時間がかかるといわれています。
戸籍謄本等を収集するための時間と合わせると相当程度の時間がかかるため、相続手続を行うための時間的な余裕がない場合には法定相続情報証明制度を利用することが難しいかもしれません。
相続手続以外では法定相続情報一覧図がほぼ使えない
せっかく手間と時間をかけて法定相続情報一覧図を作成しても、これを相続手続以外ではほぼ使うことができません。
そのため、必要な相続手続の数が少ない場合には、デメリットの方が大きくなる可能性が高いといえます。
法定相続情報証明制度をやってみた人の感想
実際に法定相続情報証明制度を試してみた人がブログなどに書いている感想をいくつかご紹介します。
戸籍謄本の取得については、次のような感想がありました。
申請に必要な書類のひとつ、亡くなった人(父)の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本。
最近のは早いですが父が生まれた時の戸籍は窓口で1時間待たされました。
そんなにかかるとは知らず、ぐったり~。
出典:個人ブログ
本籍地が何度か変わっている人は、この作業(筆者注:戸籍謄本の取得作業)だけでもかなりの時間と労力をうばわれます。
こんな面倒なコトは、できれば1度だけで終わらせたい。
たまたまダンナの場合は、この制度(筆者注:法定相続情報証明制度)を利用した方が絶対にメリット大!!と言えるケースでしたね。
出典:個人ブログ
思っていたよりもスムーズに作成できました。
登記所の方も丁寧に説明してくださいました^^
出典:個人ブログ
戸籍集めの大変さに比べると、申出書と一覧図の作成はかなりスムーズでした。
とはいえ、パソコンの操作に慣れていない人には、ちょっと面倒かも知れません。
出典:個人ブログ
住民票の記載で四のところを4と書いてしまっていたことを指摘され、出し直しになるかもしれませんと言われたけど、とりあえず申請して違っているところがあったらご連絡しますということで受け付けてもらえた。
なんて・・・細かいのでしょう(T_T)
出典:個人ブログ
法定相続情証明制度の利用を試された方はいずれも、相続関係が比較的シンプルで法務局の雛形をそのまま利用できる方々のようでした。
そのため、法定相続情報一覧図をスムーズに作成できたという感想が多く見られました。
一方で、住所の記載や続柄の記載(「次女」ではなく「二女」など)など、細かな記載の不備を指摘されて修正が必要になったという声も多く見られました。
法定相続情図を作成する際には、戸籍謄本や住民票の記載を忠実に書き写し、提出前には書き間違いがないかどうかを改めて確認することが大切であるといえます。
定相続情証明制度を利用するメリットを感じられたかどうかについては、次のような感想がありました。
最大のメリットは、色んな手続きをいくつも同時に進められること。
・・・ダンナの場合、仕事の関係で口座をいくつも作っていたので、この制度にはもってこいでした
出典:個人ブログ
「相続手続きがたくさんある場合のみ」(筆者注:メリットが)あるといいって程度かも
我が家にはどうかなぁ〜
無くてもよかったかもね
出典:個人ブログ
多くの相続手続をする必要がある人や同時に複数の手続を進めたい方にとっては、時間や労力を考慮してもメリットを感じられるといえそうです。
法定相続情報一覧図の取得方法
法務局の認証を受けた法定相続情報一覧図を取得するためのプロセスは次のとおりです。
以下では、法定相続情報一覧図の作成に必要な書類や法定相続情報一覧図の書き方、申出の方法(必要書類)等について詳しく説明します。
書類の取得
法定相続情報一覧図を作成するためには、相続人(相続関係)を正確に把握する必要があります。
そこで、以下の書類を収集する必要があります。
1〜3の書類は法定相続情報制度の申出をする際に必ず提出しなければならない書類です(提出の際に必要な書類については後ほど別途説明します)。
書類の種類 | 取得場所 | 取得費用 | |
---|---|---|---|
1 | 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本及び改正原戸籍謄本(戸籍謄本類) | 被相続人の本籍地の市町村役場 | 戸籍謄本:450円/通 除籍謄本:750円/通 改製原戸籍謄本:750円/通 |
2 | 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票 | 被相続人の最後の住所地の市町村役場 | 住民票の除票:300円/通 戸籍の附票:300円/通 |
3 | 相続人全員の現在の戸籍謄本または戸籍抄本 | 各相続人の本籍地の市町村役場 | 戸籍謄本1通:450円 戸籍抄本1通:450円 |
4 | 各相続人の住民票(写し)※ | 各相続人の住所地の市区町村役場 | 住民票1通:300円 |
法定相続情報一覧図の書き方
収集した戸籍謄本等をもとに、法定相続情報一覧図を作成します。
相続人が作成する法定相続情報一覧図のイメージは次のとおりです。
法定相続情報一覧図の雛形は法務省のホームページで入手することができます。
参考:法務省
ご自身の親族関係に近いものがあれば、雛形をダウンロードして必要事項を埋めていくとよいでしょう。
いきなり作成を始めるのではなく、ざっくりとメモ程度の下書き(手書きなどで構いません)をしてから作成すると作りやすいかと思います。
記載すべき内容
法定相続情報一覧図に記入すべき内容は、次のとおりです。
「被相続人◯◯(被相続人の氏名)法定相続情報」と記載します。
被相続人の氏名・生年月日・死亡年月日・最後の住所・最後の本籍地を記載します。
各相続人の氏名・生年月日・続柄(※2)・現住所(※3)を記載します。
各相続人の氏名
(a)相続を放棄(自分の意志で相続を辞退することをいいます。)した人や(b)相続欠格(犯罪行為等をしたことにより法律上相続人から除かれることをいいます。)となった人、(c)遺産分割協議(遺産の分け方について相続人全員で話し合うことをいいます。)の結果遺産を相続しないこととなった人の情報も記載する必要があります。
(a)〜(c)の人の情報は戸籍に記載されないことから、法務局(登記官)が提出された資料からその事実の有無を確認することができないためです。
これに対して、相続廃除(相続人に対する非行行為などがあった場合に相続人の意志で相続人から除外することをいいます。)された人の情報は法定相続一覧図に記載しません。
相続廃除されたことは戸籍謄本に記載されるため、法務局が事実の有無を確認できるからです。
被相続人の子どもと兄弟姉妹については、「代襲相続」(だいしゅうそうぞく)が発生することがあります。
代襲相続とは、相続人となる人(子どもや兄弟姉妹)が被相続人よりも先になくなったり相続人から除外された場合(相続廃除・相続欠格)に、その子どもが代わりに遺産を相続する制度です。
被相続人の子どもの場合には被相続人の孫(子どもの子ども)が、兄弟姉妹の場合には被相続人の甥や姪(兄弟姉妹の子ども)が、それぞれ代襲相続する可能性があります。
代襲相続の場合、本来相続人となるはずだった子どもや兄弟姉妹の情報は記載せず(「被代襲者 ◯年◯月◯日死亡」等とだけ記載)、代襲相続する孫や甥・姪の情報のみを記載します。
代襲相続の場合には記載に注意が必要です。
続柄
被相続人の子どもの続柄は、戸籍に記載されている「長男」「長女」「二男」等と記載することも、単に「子」と記載することもできます。
ただし、単に「子」と記載した場合には、法定相続情報一覧図を相続税の申告に使用することができなくなるため、相続税の申告に使用したい場合には戸籍どおりの記載をする必要がありま|す。
現住所
各相続人の現住所の記載は必須でなく、記載するかどうかは自由とされています。
住所を記載する場合には、申出の際に相続人の住民票(写し)を提出する必要があります。
法定相続情報一覧図(写し)に相続人の住所が記載されている場合には、各種の相続手続において住民票を提出する必要がなくなる場合がほとんど※であるため、複数の相続手続を行う場合には記載しておくのがよいでしょう。
申出人
申出人である相続人については、その氏名の横に「(申出人)」と記載します。
なお、申出人となることができるのは、被相続人の相続人のみ(相続人の相続人を含みます。)です。
ただし、以下の者は申出人の代わりに手続を行う(代理する)ことができます。
- 申出人の法定代理人
- 申出人の親族
- 資格者代理人(弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、行政書士)
これらの者が代理で手続を行う場合には、申出の際に委任状や代理人となる資格があることを証明する書類を提出する必要があります。
作成年月日
法定相続情報一覧図の作成日を記載します。
作成者
法定相続情報一覧図の作成者の氏名、住所を記載します。
作成のポイント・注意点
法定相続情報一覧図を作成する際のポイント・注意点は次のとおりです。
法定相続情報一覧図はA4サイズの白い紙を使って作成します。
また、法定相続情報一覧図の原本は申請日の翌年から5年間保管されることとなるため、保管に耐えられる丈夫な紙を使用する必要があります。
用紙の下から5センチメートル以内の部分には、法務局(登記官)が認証文を記載します。
そのため、この部分には余白を空けておくことが日宇町です。
法定相続情報一覧図はパソコンを使って作成しても手書きで作成してもできます。
ただし、手書きで作成する場合には、提出を受けた登記所(法務局)の側で明確に読み取れるように記載されていることが必要です。
法定相続情報一覧図は、相続人が自ら作成することもできますが、弁護士などの専門家に依頼することもできます。
作成費用はどれくらい?
自分で作成する場合
法定相続情報一覧図を自分で作成する場合、作成に必要な戸籍謄本等の取得にかかる費用のみで作成することができます。
戸籍謄本等の取得にかかる費用は、もっとも安い場合で2,000円程度ですが、相続人の人数や戸籍謄本の保管状況によって金額は変わります。
専門家に依頼する場合
法定相続情報一覧図の作成を司法書士や弁護士等の専門家に依頼する場合、手数料がかかります。
手数料の金額は、専門家の種類や事務所によって異なります。
また、必要書類の取得から申出までの各手続のうち、どの範囲の手続を専門家に依頼するかによっても金額は変わってきます。
そのため、具体的な金額については専門家に相談して見積もりをもらうのがよいでしょう。
申出の手続(必要書類)
申出は、登記所(法務局)に以下の書類を提出して行います。
【必ず提出する書類】
書類 | 備考 | |
---|---|---|
1 | 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本及び改正原戸籍謄本 | 法定相続情報一覧図の作成時に取得 |
2 | 被相続人の住民票の除票 ※取得できないときは戸籍の附票 |
法定相続情報一覧図の作成時に取得 |
3 | 相続人全員の現在の戸籍謄本または戸籍抄本 | 法定相続情報一覧図の作成時に取得 |
4 | 法定相続情報一覧図 | 自分で作成(専門家に依頼することも可) |
5 | 申出書 | 自分で作成 |
6 | 申請者の身分証明証
|
※左の3つ以外の書類については、登記所に要確認 ※コピーには「原本と相違がない」旨を記載し、申出人の名前を記載 |
【必要に応じて提出する書類】
書類 | 備考 | |
---|---|---|
7 | 各相続人の住民票記載事項証明書(住民票の写し) | 法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載する場合 |
8 |
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委任による代理人が申出の手続をする場合 |
提出先はどこ?
法定相続情報一覧図の提出先(申出先)は、次の(a)〜(d)のいずれかを管轄する登記所(法務局)です。
- (a)被相続人の本籍地
- (b)被相続人の最後の住所地
- (c)申出人の住所地
- (d)被相続人名義の不動産の所在地
登記所(法務局)の管轄はこちらから調べることができます。
参考:管轄のご案内|法務局
いずれかの登記所(法務局)に必要書類を持参または郵送して申出を行います。
郵送による写しの交付や提出した戸籍謄本類の返却を希望する場合、その旨を申出書に記載し、返信用の封筒や切手(レターパックでも可)を同封します。
ご自身が申出人となる場合、(c)申出人の住所地を管轄する登記所(法務局)に提出するのがもっとも簡便といえるでしょう。
法定相続情報一覧図のよくあるQ&A
法定相続人とはどこまでをいうの?
法定相続人とは、被相続人の遺産を相続できる人(相続人)として法律(民法)が定めている人のことをいいます。
法定相続人以外は遺産を「相続」することができません。
基本的な法定相続人の範囲は、①被相続人の配偶者(常に相続人)、②子ども(第1順位の相続人)、③両親や祖父母などの直系尊属(ちょっけいそんぞく・第2順位の相続人)、④兄弟姉妹(第3順位の相続人)です。
相続人には順位が定められており、低い順位の相続人は、より高い順位の相続人がいる場合には遺産を相続することができません。
これを図にすると次の図のようになります。
第887条1項 被相続人の子は、相続人となる。
第889条1項 次に掲げる者は、第887条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
一 被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
二 被相続人の兄弟姉妹
第890条 被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第887条又は前条の規定により相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。
法定相続情報一覧図の写しに有効期限はある?
法定相続情報一覧図の写しには「発行から◯ヶ月有効」といった有効期限はありません。
もっとも、法定相続情報一覧図の原本は申請日の翌年から5年間登記所で保存されますが、5年を経過すると再度の申出が必要となります。
そのため、「申請日の翌年から5年間」が法定相続情報一覧図の有効期限といえるでしょう。
また、金融機関などの提出先によっては「発行日から◯ヶ月以内の法定相続情報一覧図(写し)」といった指定がなされる場合がありますので、提出先の指示に従う必要があります。
まとめ
「法定相続情報一覧図」とは、被相続人の定相続人は誰かというのを一覧図にしたもので、法務局(登記官)が公的に認証したものをいいます。
法定相続情報一覧図の写しは無料で何回でも発行を受けることができ、各種の相続手続(不動産や預貯金の名義変更のほか相続税の申告など)を行う際に、戸籍謄本等の「書類の束」の代わりとして提出することができます。
法定相続情報一覧図の写しの交付を受けるためには、①戸籍謄本や住民票などの書類を収集し、②①の戸籍謄本等をもとに法定相続情報一覧図を作成し、③①・②の書類とともに申出書を法務局に提出する、といった手続を行うことが必要です。
法定相続情報一覧図の取得にはメリット・デメリットがあり、そのどちらが上回るかは、必要な相続手続の数など相続人の状況によって異なります。
法定相続情報一覧図を作成すべきケースかどうかは、相続に注力している弁護士などの専門家に相談してみることをおすすめします。
弁護士法人デイライト法律事務所では、法定相続情報一覧図の作成に関するご相談をはじめとして、遺産分割協議や遺言書の作成、相続トラブル、相続に関する節税対策など、相続全般のご相談に幅広く対応しております。
相続に注力する弁護士からなる相続対策チームを設置しておりますので、相続でお困りの際はぜひお気軽にご相談ください。