福岡での相続は、相続問題に注力し、顧客満足度が高い弁護士に相談するとよいでしょう。
相続が発生すると、遺産の調査、遺産分割、遺産の名義変更、相続税などさまざまなことを検討しなければなりません。
ここでは、福岡で相続の相談をどこにすべきか、各専門家のメリットやデメリット、おすすめの専門家の探し方などについて、ご紹介しています。
相続でお困りの方はぜひ参考になさってください。
目次
福岡で相続の相談はどこがいい?
福岡で相続問題にお困りの方は、相続問題に注力している地元福岡の弁護士にご相談されることをおすすめいたします。
また、弁護士の選び方としては、口コミ(評判)が良いことが一番です。
さらに、相続登記や相続税の申告にワンストップで対応できることも重要となります。
福岡の相続の相談窓口の一覧
福岡で相続をどこに相談するかを考えるために、そもそもどこが窓口となっているかを知っておく必要があります。
現在、相続に関わる業務を行っているのは、弁護士、司法書士、税理士、銀行等の組織があげられます。
では、これらの専門家が相続の業務(遺産分割、相続放棄、遺留分の行使、預貯金の使い込み、相続税、遺言書作成、登記)に適切に対応できるかどうかを表で見てみましょう。
相続業務 | 弁護士 | 司法書士 | 税理士 | 銀行 | その他 |
---|---|---|---|---|---|
遺産分割 | ◯ | △ | ✕ | ✕ | ✕ |
相続放棄 | ◯ | △ | ✕ | ✕ | ✕ |
遺留分の行使 | ◯ | △ | ✕ | ✕ | ✕ |
預貯金の使い込み | ◯ | △ | ✕ | ✕ | ✕ |
相続税 | △ | ✕ | ◯ | ✕ | ✕ |
遺言書作成 | ◯ | △ | ✕ | ✕ | ✕ |
登記 | △ | ◯ | ✕ | ✕ | ✕ |
上表のとおり、弁護士は相続に関する業務のほとんどを行うことが可能です。
これに対して、他の業者はまったく扱うことができないか、扱うことができても一部であったり、不十分であることが多いです。
相続業務の多くは法律に関わります。
弁護士でない者が法律事務を扱うのは、法律で原則として禁止されています(弁護士法72条)。
これは、弁護士以外の者が法律事務に関与すると、間違った対応や詐欺的な行為等により深刻な事態に陥る可能性があるからです。
弁護士でない者が相続業務などの法律事務を扱えるのは、法律で例外的に定められた場合に限ります。
相続の相談は弁護士・税理・司法書士のどれがいい?
以下では、専門家ごとに相続相談のメリットとデメリットをご紹介します。
弁護士のメリットとデメリット
弁護士は法律の専門家であり、相続に関わるすべての法律問題を解決できます。
もっとも、通常弁護士は、相続税や不動産の登記業務は扱いません。
そのため、相続税の申告や相続による不動産の名義変更については、経験値がない方が多い点がデメリットと考えられます。
福岡の弁護士を探したい方は、福岡県弁護士会のウェブサイトから確認できます。
税理士のメリットとデメリット
税理士は相続税に関する業務を扱うことが可能です。
相続税の申告を専門的に扱っている税理士もいるため、相続税に関してはエキスパートといえるでしょう。
しかし、相続税の前提として、まずは遺産分割(誰がどの遺産を取得するか)をしなければなりません。
そして、遺産分割手続きを適切に行うことができるのは弁護士となります。
また、相続に注力している弁護士は相続税申告に精通した税理士と提携していることが多いです。
したがって、まずは弁護士に相談し、必要に応じて税理士を紹介してもらうとよいでしょう。
福岡の税理士を探したい方は、九州北部税理士会のウェブサイトから確認できます。
司法書士のメリットとデメリット
司法書士は不動産登記に関する業務を扱うことが可能です。
したがって、登記業務については司法書士に依頼するとよいでしょう。
しかし、不動産の名義変更の前提として、まずは遺産分割(誰がその不動産を取得するか)をしなければなりません。
そして、遺産分割手続きを適切に行うことができるのは弁護士となります。
すなわち、弁護士以外の者が遺産分割協議書等の法律事務を行うのは非弁行為の可能性があります。
仮にこの点を度外視するとしても、遺産分割等は、その法的な争点について、「裁判所がどのような判断をするか」を見据えて、助言することがとても重要です。これらについて、裁判手続を経験していない者には適切な助言は難しいと考えられます。
また、相続放棄の手続について、司法書士には書類作成の代理権しかないため、家裁から相続放棄照会書・回答書などが送られてきた場合、本人が対応しなければなりません。
さらに、司法書士は140万円以下の請求の民事事件の代理人にはなれますが、遺産分割協議など家事事件の代理人にはなることができません。
なお、相続に注力している弁護士は登記業務に精通した司法書士と提携していることが多いです。
したがって、まずは弁護士に相談し、必要に応じて司法書士を紹介してもらうとよいでしょう。
福岡の司法書士を探したい方は、福岡県司法書士会のウェブサイトから確認できます。
銀行やその他の団体のメリットとデメリット
弁護士でない者が法律事務を扱うのは、法律で原則として禁止されています(これを「非弁行為」といいます。弁護士法72条)。
もちろん、相続が発生したら、被相続人の預貯金の解約等が必要となり、これは銀行の窓口で行いますが、遺産分割協議書、相続放棄等の業務を行うことはできません。
また、相続をサポートするその他の団体も存在しているようです。
しかし、これらの団体が相続に関してサポートを行うのは非弁行為の可能性があると考えられます。
仮に、非弁行為の問題を度外視するとしても、裁判経験がない者が相続の助言をするのは難しいと思われます。
福岡における相続の相談の特徴
相続相談については、地域の特殊性が影響します。
結論として、福岡は相続を専門に扱う弁護士が少ないという特徴があげられます。
福岡県内の弁護士数は1442人であり、県の人口が約512万4000人であることから、弁護士一人あたりに換算すると、3553人となります。
すなわち、福岡には3553人に1人しか弁護士がいないということです。
ちなみに、大阪は1814人に1人、東京は651人に1人が弁護士であり、全国平均は2846人に1人です。
地域 | 弁護士数 | 人口 | 弁護士1人あたりの人口 |
---|---|---|---|
福岡県 | 1,442 | 5,124,000 | 3,553 |
東京都 | 21,519 | 14,010,000 | 651 |
大阪府 | 4,854 | 8,806,000 | 1,814 |
全国合計 | 44,101 | 125,500,000 | 2,846 |
参考:弁護士白書2022年版
福岡は東京や大阪だけでなく、全国平均と比べても弁護士の数が少ないことがわかります。
専門特化が起きにくい
福岡のように弁護士数が少ない地域では、「専門特化」(相続などの特定の分野に集中して業務を行うこと)が起きにくいという特徴があります。
東京や大阪のように弁護士数が多い地域では、競争によって専門特化する傾向が生まれます。
これに対し、福岡のように弁護士数が少ない地域では、専門特化せず「幅広く何でも対応する」という傾向となってしまいます。
弁護士の数が少ないことに加えて「専門特化する」という意識も低いため相続を専門に扱う弁護士はとても少なくなります。
福岡における相続でおすすめ弁護士とは?
おすすめの弁護士は「相続を専門としている弁護士であること」「顧客満足度が高いこと」の2つの条件を満たす弁護士です。
相続を専門としている
相続問題は複雑な法令や最新判例に精通していなければ適切に解決できません。
しかし、上で解説したとおり、福岡には相続の専門知識やノウハウを持つ弁護士は、大都市と比較してそれほど多くないと考えられます。
そのため、相続問題に注力し、専門知識やノウハウを持つ弁護士を探すことがとても重要となります。
顧客満足度が高い
どんなに専門知識が豊富であったとしても、それだけで良い弁護士とは限りません。
例えば、依頼者に対して、高圧的な態度を取る、不親切な対応をする、事務員任せにする、定期的な報告をしない、質問にきちんと答えない、などの問題があると、依頼者には大きなストレスがかかり、つらい日々を過ごすこととなるでしょう。
したがって、顧客満足度が高いという点も、依頼者にとって重要なことだと考えます。
では、どのようにすれば、そのような弁護士を探せるのでしょうか。
福岡での相続弁護士の探し方とは?
ここでは、相続を専門としており、かつ、顧客満足度が高い弁護士の探し方についてご紹介します。
①相続のウェブサイトが充実していること
相続に関する情報発信を自社サイトで積極的に行っていれば、少なくともその法律事務所には相続に注力した弁護士が在籍していると考えられます。
例えば、遺産分割協議書や遺言、遺留分などについてのわかりやすい解説ページや相続の解決事例などです。
弁護士紹介をチェック
自社サイトの弁護士紹介ページを見ると、その弁護士の注力分野が掲載されている場合があります。
相続などの家事事件に注力していれば、相続についての専門知識がある可能性が高いと思われます。
また、自社サイトに相続問題についての熱い想いや取り組みなども掲載されているでしょう。
②顧客満足度を自社サイトに掲載している
顧客への対応の良さ(サービス力)を重視する法律事務所の場合、自社サイト上に顧客満足度に関するアンケートの集計結果などを掲載していることがあります。
アンケートについては、その法律事務所が集計したものであるため、信頼性について疑問をもつ場合もあるでしょう。
しかし、自社サイトにアンケート結果等を掲載しているということは、少なくとも「顧客満足度の重要性」について認識しているということがうかがえます。
③外部サイトの口コミを見る
外部サイトの口コミは「顧客対応の良さ」を評価する上で最も信頼できるデータであると考えます。
同じように相続でお困りの方が実際にその事務所に相談ないし依頼した結果といえるからです。
外部の口コミとしては、Googleのビジネスプロフィールが参考になるでしょう。
ビジネスプロフィールはGoogleのサービスの一つであり、その事業所の情報(営業時間、事務所の場所等)のほか、口コミ(レビューやおすすめの度合いを☆の数で示してあります。)が掲載されています。
☆の数が平均で4以上(最高で5)で、多くのポジティブな口コミが表示されていれば、顧客満足度が高い事務所であると思われます。
このビジネスプロフィールは、登録している事務所としていない事務所があります。
しかし、登録する場合、事務所が自分の判断でネガティブな口コミ(クレームなど)を削除したり、編集したりすることができません。
したがって、顧客対応の良さとして信頼できると思われます。
ポータルサイトのランキング情報には注意
相続問題に関してウェブで情報発信をしているのは、法律事務所だけではありません。
近年、ポータルサイトと呼ばれるウェブサイトにおいても、法律に関する記事が掲載されています。
この場合、以下の理由から注意が必要です。
弁護士は法律の専門家であり、基本的には倫理観を備えています。
また、法律事務所の場合、弁護士会という監督機関があり、厳しい広告のガイドラインに沿ってウェブサイトを運営しています。
これに対し、ポータルサイトは営利を目的とする会社が広告収入を目的として運営していることが多いです。
ポータルサイトは、多くの法律事務所や司法書士事務所から広告料をもらってその事務所の情報を掲載していることが多いです。
つまり、おすすめしているのは、自分たちの顧客であると考えられます。
お客様にとって不都合な情報は掲載できないはずであり、中立な立場で公正に評価しているとは言えないでしょう。
その他のポイント
おすすめ弁護士の探し方として、上記の他には「相続の弁護士費用がリーズナブルであること」「訪問できる距離に法律事務所があること」といった点もあげられます。
相続の弁護士費用がリーズナブル
弁護士費用は、現在自由化されており、法律事務所によって費用が異なります。
相続に注力する事務所の場合、初回の相談料は無料としているところが多いです。
しかし、実際に依頼する場合、着手金(依頼時に支払う金額)や報酬金(解決時に支払う金額)が必要となります。
弁護士費用については、法律事務所のウェブサイトに掲載されていることが多いので、そちらをチェックするとよいでしょう。
訪問できる距離に法律事務所があるこ
最近はZoomなどのオンラインで打ち合わせなどに対応している事務所もあります。
しかし、いざとなったとき、弁護士に会いに行ける距離であると安心できるでしょう。
したがって、法律事務所が自宅や勤め先のそばにあるか、アクセスしやすい場所(博多駅や天神駅など)であることも重要となります。
福岡の相続についてのQ&A
相続問題はどのタイミングで弁護士に相談すべき?
相続手続きには期限があるものが多いです。
また、期限がなくても、トラブルを防止するためにはできるだけ早いタイミングで相談した方がいいです。
早い段階から専門性が高い弁護士にご相談されることで、安心できると思われます。
まとめ
以上、福岡で相続問題をどこに相談すべきかについて、詳しく解説しましたがいかがだったでしょうか。
福岡での相続は、相続問題に注力し、顧客満足度が高い弁護士に相談するとよいでしょう。
そのような弁護士の探し方としては、相続についての情報発信の多さ、弁護士紹介ページ、顧客アンケートの調査結果、外部の口コミをチェックするとよいでしょう。
この記事が相続でお困りの福岡の方にお役に立てれば幸いです。