事案
父が亡くなり、父の相続人である私と兄、姉とで遺産分割協議を現在行っています。
遺産分割協議にはしばらく時間を要しそうなのですが、父が残した遺産には賃貸に出している不動産もあり、誰かが管理しなければなりません。
この場合、父の不動産は誰が管理すべきでしょうか。また管理にあたり、必要な費用は誰が出すのでしょうか。
遺産分割協議にはしばらく時間を要しそうなのですが、父が残した遺産には賃貸に出している不動産もあり、誰かが管理しなければなりません。
この場合、父の不動産は誰が管理すべきでしょうか。また管理にあたり、必要な費用は誰が出すのでしょうか。
遺産分割協議が終わるまでの間も、遺産をきちんと管理しなければ、多数の関係者に迷惑がかかるのは言うまでもありません。
この遺産の管理ですが、共同相続人が共同で行うこともできますし、共同相続人全員の合意により、相続人の一人かあるいは第三者を管理人とすることもできます。管理人がなかなか決まらない場合には、家庭裁判所に対し、管理人の選任を申し立てることもできます。
遺産を相続人が共同で管理することとした場合
民法の共有の規定に従い管理が行われることになります。
したがって、遺産の保存行為は相続人が一人で行うことができますが、その他の管理行為は、相続人の持ち分に従い、その過半数で決めることになります。
特定の一人を管理人とすることを相続人全員で合意した場合
共同相続人と管理人との関係は委任契約によることになります。したがって、管理人となった者は、善管注意義務を負うことになります。
民法によると、「相続財産に関する費用は、その財産の中から、これを支弁する」と定められていますので、遺産の管理費用について、最終的には相続財産から支出されることになります。
管理費用の清算は、実務上、遺産分割協議のなかで手続が行われることが多いようです。
このように、遺産分割による最終的な取得者が決まるまで、相続人間で協力しながら遺産を管理していく必要があります。
もっとも、遺産の管理にあたっては、相続人が一人でできることと、共同相続人全員でないとできないこととがあり、その判断には相続に関する専門的な知識を要します。
遺産分割協議中の遺産の管理についてお悩みの方は、ぜひ一度、相続専門の弁護士にご相談されることをおすすめします。