労災が発生すると、会社は被災した従業員に対し、慰謝料、休業損害の一部、その他逸失利益等の損害賠償義務を負担する可能性があります。
労災は保険からすべて支払われるわけではありません。
労災事故によって、会社は高額な賠償金の支払い義務を負うことがあります。
ここでは、どのような場合に会社が賠償金を支払わなければならないのか、そして、その賠償額はどのようにして計算されるのか、労災の手続きの流れについて、労災問題に注力する弁護士が解説していきます。
また、労災発生時に会社が注意すべきポイントについても解説しますので、会社関係者の方は参考になさってください。
労災の会社負担とは?
労災の会社負担とは、会社の責任によって業務中に労災が生じた場合、会社が負傷した従業員に対して、労災保険による給付とは別に、休業損害や慰謝料等の賠償を行うことをいいます。
結論から申し上げますと、会社は下表の損害について、負担しなければならない可能性が高いです。
損害の項目 | 会社が負担すべき内容 |
---|---|
慰謝料 | 全額 |
休業損害 | 3日分給料+事故によって減少した給料の40% |
逸失利益 | 労災で支給されない部分 |
労災事故が起こると、会社は2つの責任(「災害補償責任」と「民事上の責任」)を負うリスクがあります。
災害補償責任について
労災によって従業員が負傷したり死亡した場合、会社は、故意・過失を問わず、災害補償責任(労働基準法75条以下)を負います(労働基準法75条1項)。
引用元:e-Gov法令 労働基準法
災害補償責任は、従業員が業務上の災害によって生じた損害について、会社側の過失の有無を問わない点で、従業員の保護を図っています。
会社にとっては非常に重い責任と言えます。
一方で、労災については、保険があります。
例えば、被災した従業員は、労災保険によって、治療費や休業した分の賃金の60%は国が補償してくれることになります。
民事上の責任について
業務上の災害について、会社に落ち度があると、会社は、別途民事上の損害賠償責任を負います。
ここでの民事上の損害賠償責任としては、慰謝料(精神的損害)や労災保険ではカバーしきれない休業損害等が含まれます。
労災保険では補償されず、会社が負担することとなる損害については、後に詳しく解説します。
労災で国が補償するのは一部!会社負担は?
休業損害
休業損害とは、従業員が、業務上または通勤による負傷や疾病による療養のために労働することができず、そのために受けることができない賃金のことです。
労災の休業補償について、詳しくはこちらをご覧ください。
会社の4割負担
従業員は、業務上または通勤による負傷や疾病による療養のために労働することができず、そのために賃金を受けていないときで、その休業が4日以上にわたる場合、4日目以降の休業について、休業(補償)等給付と休業特別支給金が支給されます。
なお、休業初日を含む3日間(待機期間)については、休業(補償)等給付と休業特別支給金は支給されないため、業務災害の場合については、会社が休業補償を行うことになります。
休業(補償)等給付については、被災した従業員の給付基礎日額の60%が支給されます。
休業特別支給金については、被災した従業員の給付基礎日額の20%が支給されます。
つまり、被災労働者が労災保険によって受給できる休業補償額は、休業(補償)等給付(60%) + 休業特別支給金(20%) = 給付基礎日額の80%になります。
被災した従業員が損害を被ると同時に、同一の事由によって経済的な利益を得たときは、損益相殺として、その経済的な利益を損害賠償額から減額することになります。
そこで、会社は休業損害について、被災した従業員の給付基礎日額の20%だけを支給すれば良いと思われるかもしれませんが、そうではありません。
この点判例は以下のように判示し、特別支給金は労働者の損害を補填する性質のものではないとして、損害額からの控除を否定しています(最二小判平成8年2月23日)。
「政府は、労災保険により、被災労働者に対し、休業特別支給金、障害特別支給金等の特別支給金を支給する(労働者災害補償保険特別支給金支給規則(昭和四九年労働省令第三〇号))が、右特別支給金の支給は、労働福祉事業の一環として、被災労働者の療養生活の援護等によりその福祉の増進を図るために行われるものであり(平成七年法律第三五号による改正前の法二三条一項二号、同規則一条)、使用者又は第三者の損害賠償義務の履行と特別支給金の支給との関係について、保険給付の場合における前記各規定と同趣旨の定めはない。
このような保険給付と特別支給金との差異を考慮すると、特別支給金が被災労働者の損害をてん補する性質を有するということはできず、したがって、被災労働者が労災保険から受領した特別支給金をその損害額から控除することはできないというべきである」
したがって、休業損害について会社側が負担するのは、被災した従業員の給付基礎日額の40%になります。
通勤災害については、業務災害とは異なり、休業損害について会社負担はありません。
休業3日分の負担
労災保険による休業補償給付は、休業4日目以降の分から給付されるため、最初の3日分の休業補償については、会社が負担する点には注意が必要です。
特に、業務上の災害について会社の責任がある場合には、最初の3日分の給料についても、100%補償するようにしましょう。
慰謝料は補償の対象外
労災によって生じた慰謝料(入通院・後遺障害・死亡)については、労災保険による補償対象には含まれません。
そこで、使用者は、安全配慮義務違反を原因とする労災によって、従業員が入通院等をした場合、当該従業員に対して、慰謝料(入通院・後遺障害・死亡)を支払うことになります。
会社の安全配慮義務
安全配慮義務とは
安全配慮義務とは、従業員が就労するにあたって、会社が従業員の生命や健康を危険から保護するよう配慮すべき義務のことをいいます。
労働契約法5条は、労働契約に特段の根拠規定がなくても、労働契約上の付随義務として、会社は当然に安全配慮義務を負うことを明らかにしています。
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
引用元:e-Gov法令 労働契約法
安全配慮義務違反の内容を大別した場合、①物的・環境的危険防止義務、②作業内容上の危険防止義務、③作業行動上の危険防止義務、④寮・宿泊施設の管理義務、⑤健康管理義務に分けられます。
しかし、安全配慮義務の内容は一律に定まっているものではありません。
安全配慮義務違反の内容は、「労働者の職種、労務内容、労務提供場所等安全配慮義務が問題となる当該具体的状況等によって異なるべきもの」(最判昭和59年4月10日)となっており、ケースバイケースの判断となります。
安全配慮義務違反について詳しくはこちらをご覧ください。
会社の従業員に対する損害賠償義務の内容
労働災害による損害を大きく2つに分けると、財産的損害と精神的損害に分けられ、財産的損害には積極的損害と消極的損害とに区分されます。
積極的損害とは、被災したことにより現実に生じた損害のことをいい、例えば、治療費等の支出があげられます。
消極的損害とは、被災しなければ得られたであろう利益のことをいい、例えば、逸失利益や休業損害等があげられます。
上述のように、業務上の災害については、会社に安全配慮義務違反(民法415条)や不法行為責任(民法709条、715条等)が認められる場合、会社は、労働基準法上の災害補償責任とは別に民事上の損害賠償責任を負います。
ここでは、会社の従業員に対する損害賠償義務の内容について解説します。
慰謝料
慰謝料とは、被災した従業員本人又は遺族が被った精神的苦痛に対して支払われるものです。
慰謝料(精神的損害)には、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料があります。
後遺障害慰謝料、死亡慰謝料、入通院慰謝料については、「赤い本 公益財団法人日弁連交通事故相談センターの入通院慰謝料基準」で算出される慰謝料基準額が一応の目安になると考えられます。
慰謝料については、労災保険による補償の対象ではないため、会社が負担することになります。
休業損害
休業損害とは、労働者が労災によって働くことができず、減少した収入のことをいいます。
被災した労働者は、労災保険の休業補償給付によって、休業により減少した給料の60%(給付基礎日額の60%)の補償を受けることができます。
もっとも、休業補償給付では、被災した労働者の給料の全てが補償されるものではないため、業務上の災害について会社に責任がある場合、補填されない部分については、会社が負担することになります。
その他の損害
その他の損害としては、入院雑費、付添看護費、通院交通費・宿泊費、装具・器具等購入費、家屋、自動車等改造費、弁護士費用などの積極的損害や、死亡逸失利益や後遺障害逸失利益などの消極的損害があります。
業務上の災害について会社側に責任がある場合、会社側は、これらの損害のうち合理的な範囲のものについては、民事上賠償する義務を負うことになります。
治療費については、必要かつ相当な実費全額が損害賠償の対象となります。
もっとも、労働災害の場合、労災保険から療養補償給付等がなされるため、別途会社が療養費用を負担することはほとんどないです。
付添看護費とは、労働災害により被災した従業員が、入院や通院をするために、看護や介助にかかる費用のことをいいます。
付添看護費は、入院付添費、通院付添費、自宅付添費、将来介護費、通学付添費に分けることができます。
付添看護費については、交通事故の通院付添費が参考になります。
諸雑費とは、入院中に支出を余儀なくされた日用品の費用のことです。
諸雑費は、労災保険による補償の対象とはなりません。
通院交通費は、症状等によりタクシーの利用が相当とされる場合以外は、電車、バスなどの公共交通機関の料金が目安となります。
また、自家用車の場合は、ガソリン代などの実費相当額が目安となります。
ガソリン代については、1キロにつき15円が目安となります。
通院交通費については、労災給付の対象となる場合があります。
装具・器具等の購入費用は、必要に応じて損害として認められます。
また、義歯、義眼、義手、義足、その他相当期間で交換の必要があるものについては、将来の費用も原則として認められます。
装具・器具等の購入については、労災保険による義肢等補装具費支給制度があります。
弁護士費用については、事案の難易、請求額、認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内にあるものについて、損害賠償請求が認められています。
「労働者が、使用者の安全配慮義務違反を理由とする債務不履行に基づく損害賠償を請求するため訴えを提起することを余儀なくされ、訴訟追行を弁護士に委託した場合には、その弁護士費用は、事案の難易、請求額、認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものに限り、上記安全配義務違反と相当因果関係に立つ損害というべきものである」
例えば、不法行為構成の場合には、損害認定額の10%が弁護士費用として認められます。
後遺障害逸失利益とは、後遺障害が残ったため、減額することとなった将来の収入のことをいいます。
会社は、後遺障害逸失利益について、労災保険では補償されない部分について、民事上の賠償責任を負う可能性があります。
被災した従業員に後遺障害が生じた場合の逸失利益は、一般的には次のように計算します。
収入額については、労災事故前の現実の収入を基準とするのが原則ですが、将来の昇給については、給与規定等から確実に昇給が見込まれるような場合には、これを考慮することができます。
労働能力喪失割合は、労働省労働基準局長通牒(昭和32年7月2日基発551号)別表労働能力喪失率表(表1)が参考になります。
後遺症等級 | 労働能力喪失率 |
---|---|
1級 | 100% |
2級 | 100% |
3級 | 100% |
4級 | 92% |
5級 | 79% |
6級 | 67% |
7級 | 56% |
8級 | 45% |
9級 | 35% |
10級 | 27% |
11級 | 20% |
12級 | 14% |
13級 | 9% |
14級 | 5% |
引用元:労働省労働基準局長通牒(昭和32年7月2日基発551号)|別表労働能力喪失率表(表1)
また、稼働年数は、原則として症状固定日から67歳までと考え、将来得られる収入を先に得ることに対して、その利息分を控除するために、稼働年数に対応するライプニッツ係数を用いて計算するのが一般的です。
具体例 後遺障害逸失利益の計算例
年収500万円の39歳の従業員が労災によって、労働能力喪失表の11級に該当する後遺障害が残り、40歳で症状固定となった場合、以下のように計算されます。500万(年収500万円の場合) × 0.2(11級の働能力喪失割合は20%) × 14.6430(稼働年数27年に対応するライプニッツ係数) = 1460万3000(円)
なお、労働能力喪失割合は、被災した従業員の職業、年齢、性別、後遺症の部位、程度、労災事故直後の稼働状況等についても考慮されます。
死亡逸失利益とは、労災によって死亡した従業員が、生きていれば得られるはずであった収入部分のことをいいます。
死亡逸失利益については、労災保険から、遺族(補償)等年金(もしくは一時金)に加え、遺族特別支給金及び遺族特別年金(もしくは一時金)が支給されます。
もっとも、労災保険による給付だけでは、死亡逸失利益が十分に補償されない場合があります。
会社は、安全配慮義務違反等により労災の発生について責任がある場合、労災保険では足りない部分について、補填する必要があります。
労災の手続きの流れ
現場の対応
会社は、被災した従業員もしくは労働災害の発見者から、労災の報告を受けます。
責任者は、被災者の負傷状況、意識の有無などを発見者から確認し、病院への搬送の手配が済んだら、被災者の家族、会社(本社等)、行政機関(監督所・警察署)へ連絡します。
労働者死傷病報告
業務中に労働災害が発生したことによって死亡又は休業が4日以上生じたときは、所轄の労働監督基準署長あてに、労働者死傷病報告書を遅滞なく提出する義務があります(安衛則第97条1項)。
また、休業の日数が4日未満の場合には、1月から3月、4月から6月、7月から9月及び10月から12月までの期間における当該事実について、各々の期間の最後の月の翌月末までに報告する義務があります。
「労働者死傷病報告」は、提出を怠っただけで刑事罰が科せられる可能性があるため、注意が必要です。
死傷病報告を故意に提出しない場合や、虚偽の内容を記載して届け出た場合、「労災かくし」に該当する場合があります。
各請求書の労働監督基準署への提出
会社は、従業員から各種労災の申請について、事業主の証明を求められた場合、各種請求への助力が求められています(労災則23)。
第1項 保険給付を受けるべき者が、事故のため、みずから保険給付の請求その他の手続を行うことが困難である場合には、事業主は、その手続を行うことができるように助力しなければならない。
第2項 事業主は、保険給付を受けるべき者から保険給付を受けるために必要な証明を求められたときは、すみやかに証明をしなければならない。
なお、労災保険の申請は、従業員が会社を通じて行うだけでなく、従業員本人が労働基準監督署に対して行うこともできます。
各請求書の記載内容・必要書類については以下の記事をご覧ください。
労働基準監督署へ提出された各請求書に不備がある場合でも、受付印は押印され、その後の事務処理として記載内容の不備の補正、添付書類の送付依頼等が行われます。
労働基準監督署の調査
労災保険給付請求書を受け付けた労働基準監督署は、労災の該当性について、調査を行います。
労災の内容によっては、労働基準監督署が直接関係者に聞き取りを行う場合があります。
労災の聞き取り調査の内容について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
労災保険給付の決定
労働基準監督署の調査が完了した後、各労災保険の支給決定または不支給決定が行われます。
決定内容について不服がある場合、都道府県労働局の労災保険審査会に対して、不服申立て手続を行うことができます(労働者災害補償保険法38条以下)。
労災発生時に会社が気をつけたい6つのポイント
①労基署・警察署に連絡し、現場を保存するようにしましょう
死亡事故若しくは同時に3人以上の休業災害を伴う重大災害を発生させた場合、重大災害となる可能性のある事故を発生させたときは、その旨を直ちに労基署と警察署に連絡し、災害現場の保存を行いましょう。
労基署や警察署の現場件署が済まないうちに、勝手に許可なく物を動かしたり安全装置を外したりすると証拠隠滅の容疑がかけられたりするので注意が必要です。
②「労働者死傷病報告書」を労働監督基準署長に遅滞なく提出するようにしましょう
業務中に労働災害が発生したことによって死亡又は休業が4日以上生じたときは、所轄の労働監督基準署長あてに、労働者死傷病報告書を遅滞なく提出する義務があります(安衛則第97条1項)。
また、休業の日数が4日未満の場合には、1月から3月、4月から6月、7月から9月及び10月から12月までの期間における当該事実について、各々の期間の最後の月の翌月末までに提出する義務があります(同条2項)。
第1項 事業者は、労働者が労働災害その他就業中又は事業場内若しくはその附属建設物内における負傷、窒息又は急性中毒により死亡し、又は休業したときは、遅滞なく、様式第二十三号による報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
第2項 前項の場合において、休業の日数が四日に満たないときは、事業者は、同項の規定にかかわらず、一月から三月まで、四月から六月まで、七月から九月まで及び十月から十二月までの期間における当該事実について、様式第二十四号による報告書をそれぞれの期間における最後の月の翌月末日までに、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
引用元:e-Gov法令 労働安全衛生規則
この「労働者死傷病報告書」は、後日、損害賠償請求事件で被災状況等が問題となったときに重要な証拠書類となるため、正確に事実調査に基づいて作成する必要があります。
また、労災かくしについては、上述のように会社に罰則が課せられるため、注意が必要です。
③労災手続きにおいて事実に反することは認めないようにしましょう
労災申請をするかどうかは、被災した従業員またはその遺族等の判断に委ねられています。
労災申請をする場合、会社は、所定の請求書に事業主証明を求められますが、これは、事業主として記載内容が事実であることを証明する趣旨のものであるため、それが事実であると認識していない場合、応じるべきではありません。
もっとも、会社として証明できる部分(「平均賃金」や「死亡した労働者の負傷又は発病の日における厚生年金保険等の被保険者資格の有無」等)」については、請求者が必要とする情報提供に応じるべきでしょう。
④解雇制限に注意しましょう
使用者は、従業員が業務上負傷し、または疾病にかかり療養のために休業する期間および、その後30日間は解雇することはできません(労基法19条1項)。
ただし、療養開始後3年を経過しても負傷または疾病が治らない場合においては、打切補償(平均賃金の1200日分の支払い)を行えば、この解雇制限を解くことができます(労基法19条1項ただし書)
第1項 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第八十一条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。
第2項 前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。
引用元:e-Gov法令 労働基準法
⑤過失相殺を考慮しましょう
会社の責任による労災事故について、被災した従業員にも過失がある場合、会社は、当該従業員の過失割合に応じて、民事上の損害賠償額が減額されます。
会社は、過失相殺の主張を行う場合も考慮して、事故の原因について正確に調査するようにしましょう。
⑥労災問題に詳しい弁護士に相談しましょう
労災が発生すると、会社は労基署から文書の提出や出頭を求められる場合があります。
労災については、業務との関連性や損害との因果関係が不明な場合があるなど、法的に難しい問題が生じることがあります。
労災について、詳しく聞きたい場合は、労災問題に詳しい弁護士に相談しましょう。
まとめ
- 会社に安全配慮義務違反や不法行為責任があると認められる場合、被災した従業員に対して労災給付がなされたとしても、会社は慰謝料等の民事上の損害賠償責任を別途負うことがある。
- 安全配慮義務とは、従業員が就労するにあたって、会社が従業員の生命や健康を危険から保護するよう配慮すべき義務のことをいう。
- 会社の従業員に対する損害賠償義務の内容を大きく2つに分けると、財産的損害と精神的損害に分けられ、財産的損害には積極的損害(被災したことにより現実に生じた損害)と消極的損害(被災しなければ得られたであろう利益)に区分される。
- 休業補償給付では、被災した労働者の給料の全てが補償されるものではないため、業務上の災害について会社に責任がある場合、補填されない部分については、会社が負担することになる。
- 労災によって生じた慰謝料(入通院・後遺障害・死亡)については、労災保険による補償対象には含まれない。
労災事故は、お立場が従業員か会社かで、必要となるサポートが異なります。
デイライトでは、トップクラスのサービスを提供するため、それぞれの立場に応じた専門チーム(会社側は企業法務部、従業員側は人身障害部)がご対応いたします。
お気軽にご相談ください。