仕事中のケガで後遺障害12級に認定され、合計約500万円を獲得した事例

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないように内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

  • 依頼者:従業員側
  • 相手方:現場作業員(Aさん40代)
  • 解決までの期間:約2年

結果

損害項目 弁護士によるサポートの結果
傷害慰謝料 約120万円
後遺障害慰謝料 290万円
後遺障害逸失利益 約550万円
過失相殺 50%
結果 約500万円

※その他に治療費などの損害項目があります。

 

 

災害の状況

Aさんは、建物の解体工事などを主たる業務とするY社にて、現場作業員として働いていました。

Aさんの業務の中には、鉄筋を分別する業務がありました。

Aさんがいつものように業務をしていると、たまたま錆びつき鋭利になった鉄筋が混じっていました。

Aさんはそれに気付かず、他の鉄筋と同じように処理しようとしたところ、指を切ってしまいました。

すぐに病院に行って、切り口を縫合してもらいました。

その後も、通院を継続して、指のリハビリをしていましたが、痺れや可動域がなかなか回復しませんでした。

Aさんは、労災事故後、間も無くY社を退職し別の会社に勤めるようになりましたが、Y社に適切な補償をしてもらえるのか不安になり、当事務所の弁護士に相談に来られました。

 

 

デイライトの対応

相談に来られた時点で、労災事故から一定期間経過していましたが、Aさんには指の痺れや可動域制限が残っていました。

そこで、弁護士は後遺障害申請のサポートを行い、その結果、後遺障害12級の認定を受けることができました。

弁護士は、この等級に基づき、Aさんの損害を計算して、Y社に対し、損害賠償の提示を行いました。

そうしたところ、Y社にも弁護士がつきました。

Y社の弁護士は、Aさんの労災事故はAさん自身の過失で発生しており、Y社に落ち度はないから、一切賠償責任を負わないと反論してきました。

弁護士は、交渉での早期解決は困難であると判断し、Aさんと協議の上、裁判をすることにしました。

裁判においても、Y社は賠償責任を否定して争ってきました。

そこで、弁護士は、Y社の落ち度(手袋の不支給、安全教育の不十分、作業前の安全確認の不十分など)を具体的に主張しました。

また、Aさんに後遺障害が残っており、慰謝料や逸失利益が発生することについて、診断書やカルテなどを用いて具体的に主張立証を行いました。

そうしたところ、裁判所から、Aさんにも過失が50%あるとされながらも、Y社にも賠償責任はあるとの考えが示されました。

これに基づき、裁判所から約500万円の和解案が提示されたため、同金額で和解することになりました。

 

 

事案のポイント

本事案のポイントは、Y社に安全配慮義務違反が認められるかどうかでした。

会社側に安全配慮義務違反があるといえるためには、具体的に会社にどのような内容の義務があるのか、義務があるとして違反していたのかといった事柄を具体的に主張立証する必要があります。

本事案では、Y社には、ケガをしないように適切な手袋を支給したり、作業前にケガをしないように安全確認をするなどの義務があったのに、こうした義務を怠ったと具体的に主張することで安全配慮義務違反を認めてもらうことができました。

労災事故は、本件のように従業員側に落ち度があるケースもあります。

そうした場合に、会社側は、その落ち度を誇張して労災事故の発生は従業員に全責任があるかのような主張がなされることがあります。

労災事故にあった従業員としては、こうした主張を鵜呑みにすることなく、本当に会社に責任がないのか専門の弁護士に相談することをお勧めします。

 

 

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