LGBTという言葉をテレビや新聞でよく見かけるようになりました。
LGBTは、性的少数者と訳されることもあり、その認知が広まってきました。
これは、今まで日本社会の中で認知されてこず、一部の特異な人々のように扱われていたLGBTが少しずつ社会に受容されつつあることを示していると思います。
その中で、LGBT理解者が増えてきているのは事実でしょう。
しかし、その一方でLGBTを狙いとするビジネスも増えてきており、そのビジネスがネット上で物議を醸しだしたり、ビジネスに当事者が巻き込まれるといったことが生じています。
このコラムでは、そんなLGBTビジネスについて、トラブルに巻き込まれた際にどのように対処すべきかをお伝えしたいと思います。
LGBT狙いの高額セミナー
平成29年7月30日京都新聞のネット記事に、以下のような記事がでました。
「『人権講師にならないか』『起業しないか』―。こんな誘い文句で、性的少数者(LGBT)が高額セミナーの契約を結ばされ、解約になかなか応じてもらえないなどのトラブルが起きている」
トラブルに巻き込まれたら
このようなトラブルに巻き込まれたらどうすればよいでしょうか。
この記事には、詳細な内容は書いてありませんが、2つの場合を仮定して考えていきましょう。
①講師になるための講習を受けさせられた場合
まず、下記のトラブルの場合はどうでしょう。
「今LGBTはとてもニーズのある分野で、LGBT講師になれば、セミナーなどで講師をして儲けることができるよ。講師になるための講習は自分たちが提供できるし、その後も講師の仕事を紹介するからさ。」
このような勧誘が来て講習を10万円で契約してしまった場合には、どうでしょうか。
将来的に講師の仕事を紹介するとして、講習の契約をさせていますから、これは特定商取引法の業務提供誘引販売取引に該当するものとして、クーリングオフの対象となると考えられます。
業務提供誘引販売取引のクーリングオフ期間については、契約から20日間と少し長くなっていますので、その間に書面でクーリングオフの意思を伝えれば大丈夫です。
この書面については、後々の紛争を防ぐためにも内容証明郵便で送付するのが良いでしょう。
また、仮に20日間を過ぎていたとしても、契約書に必要な事項を書いていないときには、クーリングオフできる場合もありますので、弁護士などに相談すると良いでしょう。
②声をかけられた場合
次の場合はどうでしょうか。
LGBTの集会にいたところ、いいビジネスの話があるんだと誘われたので、少し興味を持って一緒に喫茶店に行ったところ、「LGBT講師になれば儲かるよ。まずは講習を受けてみるといい。」と言われました。
このような勧誘が来て講習を10万円で契約してしまった場合には、どうでしょうか。
この場合には、①とは異なり、後々講師業務をあっせんするという勧誘をしていないので、業務提供誘引販売取引には該当しません。
もっとも、このような勧誘方法は、特定商取引法上の訪問販売に該当すると考えてよいでしょう。
訪問販売というと少し違うのではと思われるかもしれませんが、キャッチセールスもこれに該当するのです。
訪問販売に該当すれば、契約から8日間内に書面でクーリングオフをすることができます。
この場合も①と同様に、8日間を経過していても、契約書に必要な事項が書いていなかったときなどはクーリングオフできます。
まとめ
クーリングオフできる場合でも、業者は「それはできない」と言ってきたり、「すでに8日過ぎていますよ」と言われることもあるでしょう。
しかし、すでに説明してきたように、取引類型によっては8日ではなく20日のクーリングオフ期間があったり、契約書に不備があってクーリングオフ期間が進行していない場合もあります。
クーリングオフができるかどうかの判断は容易ではないので、トラブルに巻き込まれた場合には、まずは一度弁護士に相談することをおすすめします。
当事務所では、LGBT問題に取り組む弁護士が在籍しており、LGBT関係のトラブルについては無料で相談を受けております。
また、電話相談も可能ですので、一度気軽にご相談ください。
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