慰謝料に強い弁護士をお探しの方へ
慰謝料とは
離婚慰謝料は、相手方の有責行為によりやむなく離婚するに至った精神的苦痛に対する賠償を求めるものです。
そして、理論的には、離婚原因となった有責行為による慰謝料(離婚原因慰謝料)と離婚による慰謝料(離婚自体慰謝料)は区別されています。前者には例えば不貞行為や暴力行為そのものの慰謝料が典型です。
しかし、離婚訴訟の裁判例においては、離婚原因に関して認定した事実をそのまま離婚慰謝料を基礎づける有責行為の認定に用い、これによって原告が離婚により精神的苦痛を受けたと結論づけるものがほとんどです。
したがって、実務上、離婚自体の慰謝料の独自性は少なく、離婚慰謝料が認められるケースは、相手方に不貞行為や暴力行為など有責性が顕著な事案に限られる傾向にあります。
慰謝料の相場
精神的苦痛は、客観的算定が難しく、事案によっても異なるので、明確な基準はありません。
一般の離婚の場合に支払われている慰謝料の額は、平均としては 200万円~ 300万円程度が多いといえます。
ただし、事案によっては、相手方の不貞行為や暴力などが悪質な場合、高額な離婚慰謝料を認めるものもあります( 1000万円の離婚慰謝料を認めた判例として岡山地倉敷支判平15.2.18、800万円の離婚慰謝料を認めた判例として神戸地判平13.11.5、1500万円の慰謝料を認めた判例として東京高判平1.11.22)。
慰謝料の算定要素
慰謝料の算定要素としては、次のものがあげられます。
支払う側に関する要素
- 離婚原因となった有責行為の程度、割合、態様
- 背信性
- 社会的地位(学歴・職業)、支払い能力
請求する側に関する要素
- 精神的苦痛の程度
- 請求者側の責任の有無、程度
- 離婚後の生活状況
両者に共通する要素
- 結婚期間と年齢
- 子どもの有無、親権・監護権の帰属
- 結婚生活の実情
以下、慰謝料の典型である不貞行為の場合について、くわしく解説します。
事案
離婚慰謝料を認めるケースは、不貞行為や暴力行為など有責性が顕著な事案に限られます。
判例上、不貞行為や暴力行為以外で離婚慰謝料が認められた事案をいくつかご紹介します。
判例
- 夫が一切性交渉を持とうとせず、事態善処に努力しなかったことにより婚姻関係が破綻したとして、慰謝料 500万円を認容(婚姻期間3か月)【京都地判平2.6.14】
- 妻が性交拒否。慰謝料 150万円を認容(婚姻期間9か月)【岡山地津山支判平3.3.29】
- 夫と姑の嫁いびりにより婚姻後、1年余りで妻が実家へ帰った事案。夫と姑に対して連帯して慰謝料 200万円を認容【名古屋地一宮支昭53.5.26】
慰謝料の問題
当事務所には、慰謝料請求について、ご相談に訪れる方がたくさんいらっしゃいます。
多くの解決実績を誇る、本物の離婚弁護士だからこそ感じている慰謝料の問題点について、解説いたします。
慰謝料を請求するとき、まず、当該行為が慰謝料の発生原因となるのか問題となります。
例えば、相手方が浮気した場合、そもそも「不貞行為」といえるのかが問題となります。
また、相手方が事実関係を否定している場合、その立証が必要となりますが、何が証拠となるのか判断することは難しいといえます。
さらに、慰謝料が発生するとしても、肝心の慰謝料の額はいくらなのか、などの様々な論点について、法的に判断しなければなりません。
これらについて、慰謝料問題に精通した弁護士でなければ適切な判断は困難と思われます。
慰謝料が問題となる事案では、当事者双方とも、感情的になってしまい、冷静な話し合いができないことがあります。
また、不貞慰謝料請求の場合は、配偶者以外にも、浮気の相手方も慰謝料請求の対象となります。
相手方が感情的になったり、不誠実な対応をとったりすると、話し合いでの解決は難しくなります。
協議での解決が難しく、もし、裁判となると、長期化することが予想されます。
解決まで数年間を要するケースもあり、当事者双方の負担、弁護士費用の高額化などの問題が懸念されます。
当事者同士での話し合いが難しい場合、家裁に離婚調停を申立てる、地裁に慰謝料請求訴訟を提起する、という方法も考えられます。
しかし、調停や裁判手続は、とても時間がかかります。
ケースにもよりますが、調停手続では通常半年から1年程度、訴訟手続では1年以上、見ていた方がよいかと思われます。
長期間、紛争状態が続くことで、依頼者に過度の負担がかかることが懸念されます。
プロの離婚弁護士はここが違う!当事務所の離婚解決サポート
慰謝料は、離婚条件の財産給付の中で、専門性が要求される重要なポイントとなります。
当事務所の離婚事件チームは、慰謝料請求に関して以下の解決サポートを提供しています。
専門チームによる慰謝料診断サービス
慰謝料請求については、離婚問題に関する専門知識や訴訟実務の経験が必要です。
ところが、離婚問題を専門とする弁護士は、極めて少ない状況です。
当事務所では、「弁護士の専門特化」を事務所の第1の行動指針としております。
弁護士は、幅広く何でも対応するというスタンスでは、質の高いリーガルサービスを提供できないと考えているからです。
慰謝料のご相談については、離婚問題に注力する弁護士のみで構成される「離婚事件チーム」が対応させていただいております。
慰謝料に精通した離婚弁護士が、具体的な状況に照らして、慰謝料が認められるか、また、どの程度の額となる見込みかについて、診断させていだきます。
また、相手方が争うことが予想される場合、どのような証拠が必要かについても助言いたします。
代理交渉サポート
裁判となると、長期化や弁護士費用の高額化などのために、依頼者に大きな負担となります。
そこで、当事務所では、弁護士が依頼者に代わって相手方と交渉し、示談による解決を目指すというサポートをご提案しています(このスキームを当事務所では「代理交渉」と呼んでいます。)。
代理交渉サポートは、弁護士が全面的な窓口となるので、依頼者の方が直接相手方と接することはありませんので、ご安心いただけるというメリットがあります。
また、当事者同士では、感情的になって話し合いにならない場合、弁護士が交渉することで、冷静な話し合いが期待できます。
調停・訴訟サポート
依頼者の方の中には、協議ではなく、裁判所で徹底的に戦いたいという方もいらっしゃいます。
特に慰謝料を請求するケースでは、「相手方を許せない」というのは、自然な感情です。
当事務所では、そのような目には見えない感情であっても、大切にしたいと考えています。
調停や裁判を希望される方には、弁護士が代理人となって、相手方と戦い、妥当な結果を得るように尽力します。
慰謝料の問題は、専門知識はもちろん、家裁実務に関するノウハウが必要です。
慰謝料についてお悩みの方は、当事務所の離婚事件チームまで、お気軽にご相談ください。
関連動画
なぜ離婚問題は弁護士に相談すべき?弁護士選びが重要な理由とは?