離婚後、相手と関わりたくない場合の面会交流の進め方【弁護士解説】
離婚後に相手と関わりたくない方にとって、面会交流の日時、場所の調整が悩みの種です。
このような場合、LINEやメールを使用する方法が考えられます。
面会交流は、子どもが離れて暮らす親(非監護親)と直接会ったり交流することで、子どもの健やかな成長につながる大切な機会です。
しかし、離婚後、面会交流を実施していくにあたって、できる限り相手方と日程調整等のやり取りをしたくないという方は多いです。
この記事では、離婚する相手との面会交流の問題点や問題点の解消方法について、弁護士が詳しく解説します。
離婚後に相手と関わりたくない方はぜひ参考になさってください。
離婚する相手との面会交流の問題点
面会交流が問題となる事案では、共通の問題点が見受けられます。
面会交流の減額に精通した離婚弁護士が問題点について解説するので参考にされてください。
当事者同士のやり取りは難しい
ご質問のケースのように、監護親(子供を育てている親)が非監護親と間で、面会交流のやり取りをしたくないというご相談はとても多いです。
この理由としては、次のようなものがあげられます。
夫婦の関係が険悪
夫婦のいずれか一方、又は双方が離婚を決意しているのですから、夫婦関係が良好であることは考えられません。
程度の差はありますが、ほとんどの事案において、相手に対する嫌悪感、不信感、失望などのマイナスの感情が働いています。
このような状態にある当事者間において、面会交流のやり取りは、それだけでも大きなストレスとなります。
特に、親権者の争いをしているケースでは、上記に加えて、「相手に子供を取られるのではないか?」という不安もあり、面会交流のやり取りは難しいという状況が見受けられます。
子供が面会交流に消極的
監護親は面会交流を受け入れていても、子供自身が面会交流に消極的なケースもあります。
例えば、子供がDVの被害者であった場合や、監護親がDVを受けているのを子供が見ていた場合が典型です。
また、監護親が口では面会交流を否定していないものの、感受性が豊かな子供は監護親の内心を読み取って面会交流に前向きになれない場合もあります。
非監護親が無理な要求ばかりする
非監護親側が面会交流に対して、常軌を逸した要求を繰り返す場合も、面会交流がうまくいかない典型例です。
例えば、「毎日会わせてほしい。」「2日1度は宿泊させてほしい。」などの現実離れした要求があげられます。
監護親がこのような要求を断ると、それに対して非監護親が激しくクレームを行うと、監護親は面会交流のやり取りをしたくなくなるでしょう。
再婚予定の相手がいる
監護親が離婚した後、具体的に再婚を考えている場合、再婚相手との関係構築のために、非監護親との面会交流について消極的になるケースもあります。
監護親としては、子供に非監護親の存在を忘れさせたい、再婚相手を父親と思ってほしい、などの感情が芽生え、面会交流に対して消極的になってしまう傾向です。
面会交流の調停は大変
離婚した後、面会交流のやり取りがうまくいかず、面会交流を実施していないと、相手から面会交流の調停が申し立てられる可能性があります。
面会交流の調停は、調停委員会の関与のもと、家裁で面会交流について話し合うという手続ですが、解決までは長期間を要する傾向にあります。
面会交流で揉めたケースでは、家裁から調査官が選任され、調査が実施される可能性があります。
調査官の調査では、子供と面談して非監護親に対する気持ちや面会交流に対する意向を調査することが想定されます。
また、家裁の中で、試行的に面会交流を実施して、面会交流の是非について検討することもあります。
試行的面会交流については以下をご覧ください。
このような調査は短期間ではできません。
そのため、面会交流の調停は、長期間に及ぶ可能性が高い傾向にあります。
もし、調停が長引くと、それだけ当事者の方の負担が大きくなるという問題があります。
親権の指定にも影響する
面会交流について、正当な理由なく実施させないと、親権者の判断において不利になります。
面会交流に対して消極的な監護者は、親権者として不適格であると考えられているからです。
もちろん、DVが深刻な事案等の場合は、面会交流を実施できないことに正当な理由があるといえますが、相手が否定した場合、監護者側が立証しなけばならないでしょう。
離婚する相手との面会交流のポイント
上記の面会交流の問題点を踏まえて、面会交流を解決するポイントについて、解説します。
第3者に間に入ってもらう
面会交流のやり取りについて、当事者同士での解決が難しい場合、第3者に間に入ってもらうことを検討しましょう。
第3者としては、親、兄弟などの親族や知人も考えられます。
もっとも、親等の場合、相手が感情的になってスムーズに調整できないこともあります。
離婚専門の弁護士に仲介役をお願いするという方法もあります。
当事務所では、面会交流のみのサポートも行っております。
ルール作りを行う
面会交流についてやり取りをスムーズに行かない場合、頻度、時間帯、方法については、ルールを取り決めておくとよいでしょう。
例えば、頻度としては「毎月第3日曜日を原則とする」、時間帯としては「午前9時から午後5時までとする」、方法としては「非監護親が監護親の自宅玄関で受け渡しを行う」などです。
このようなルールを決めておけば、やり取りを行う回数は大幅に減少するでしょう。
ただし、ルールは、あくまで原則としておき、例外があることを明記しておいたほうが良いでしょう。
例えば、「子共の病気などやむを得ない事情がある場合は別日とする」などです。
このようなルール作りは、専門家に相談の上、事案に最適な条項を作成してもらうことをお勧めします。
面会交流の調停のポイント
面会交流について、協議での解決が難しい場合、調停の利用も検討しなければなりません。
面会交流の調停は、できるだけ早く解決させることがポイントとなります。
また、調停では、離婚専門の弁護士に同席してもらうことで、不利になることを防止できます。
離婚調停については、手続の流れや損をしないためのポイントについて、以下のページで詳しく解説しています。
まとめ
面会交流は、子供の将来に影響を与える可能性があります。
そのため、面会交流については、上記の問題点やポイントを踏まえて、慎重に進めていくべきです。
また、離婚専門の弁護士に具体的状況を伝えることで、適確なアドバイスを受けることが可能となります。
当事務所では、離婚事件チームに所属する弁護士が面会交流について親身になってご相談に応じております。
ご相談については以下をご覧ください。
面会交流についての詳しい解説は以下のページをご覧ください。
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