子供に会いたい。【離婚後の面会交流の進め方を解説】
離婚後も子供に会いたい場合、相手が子供を虐待しているなどのよほどの事情がない限り、面会交流を進めることが可能です。
ただし、会っていない期間が長くなると、子供の心情や置かれた状況に配慮し、慎重に進めることが大切です。
この記事では、実際の相談事例をもとに、子供に会うための面会交流の進め方や注意点について、離婚問題を専門とする弁護士がわかりやすく解説します。
目次
子供に会いたい非親権者からの相談
私たちは、3年前に離婚し、子ども(現在7歳)は元妻が引き取りました。
私たちは当時、お互い相当感情的になっていたこともあり、「離婚」「親権」のみを決めて協議離婚しました。
それからしばらく経って、冷静に物事を考えられるようになってくると、子どもと会いたいという気持ちが強くなってきました。
とはいえ、離婚時のこともあったので、連絡をすることを躊躇していました。
それでも意を決して、元妻に連絡をとりました。
しかし、元妻からは、「養育費も払ってくれていないのに」「今さら会いたいとか言わないで」等と言われました。
たしかに、私が悪かった部分もあるかもしれません。
このような場合、私はずっと会っていない子どもと会うことができるのでしょうか?
面会交流とは
面会交流とは、離婚の際に、親権者とならず、子を監護養育していない親が、子どもに面会したり、一緒に時間を過ごしたりして交流する権利のことです。
面会交流は、子どもにとっても重要であると考えられているため、面会交流を申し立てられた親は、基本的には拒否することはできません。
離婚時の取り決めが重要となります
離婚の際はお互い感情的になっているため、とにかく早く離婚したいという一心で、ほとんど何も決めずに離婚してしまうことも少なくありません。
夫婦のみの問題であれば、場合によってはそれでもよいのかもしれませんが、特に子どもがいる場合には、一度冷静になって離婚後のことを考えてみることが重要です。
子どもがいる場合には、養育費の取り決め、面会交流の取り決めが重要になります。
そして、そのいずれも長期的な視点で考えなければならないことといえます。
面会交流の取り決めについて
面会交流は、子どもが離れて暮らす親(非監護親)と直接会ったり、交流(手紙等)をするというものです。
面会交流は、子どもにとって、離れて暮らす親(非監護親)と会うことが子どものよい成長につながるという発想が根底にあるため、実施方法等を考える上でも、子どもの利益が何かを考える必要があります。
そのため、ルールを決める際にも、子どもの利益という視点がとても重要になります。
面会交流をさせないほうがよい場合とは?
場合によっては、面会交流をさせないほうがよい場合も存在します(面会交流の制限事由といいます)。
- 暴力を振るってきた
- 精神的に虐待してきた
- 連れ去りなどの誘拐行為に及ぶおそれがある
このような場合は、子どもの利益にならないため、かえって面会交流をさせない方がよいとされています。
ずっと会っていないような場合に考えるべきこと
今回の事案のように、何らかの事情で、離婚してからずっと子どもに会うことができていない場合には、通常の面会交流協議以上に、様々なことを考え、検討しなければなりません。
- 会うことができなかった理由は何なのか?
- その期間はどれくらいなのか?
- 離婚時の子どもの年齢、現在の子どもの年齢
- 子どもが現在、どのような環境で暮らしているのか(元妻が再婚し、養子縁組をしているのか等)?
- 監護親が、これまでどのように子どもに説明をしてきたか?
- 子どもの意思(父親と会いたがっているのか等)
というのも、いきなり、実の父親ということで会いに行くことが、必ずしも子どもにとって利益になるとは限らないからです。一足飛びにいくのではなく、少しずつ前に進めていくことが重要です。
面会交流の進め方
進め方としては、まずは元奥様に連絡をとって面会交流の希望を伝えるともに、今後話し合っていきたいと伝えることが第一歩になります。
ただ、それではうまくいかない(拒否をされる、そもそも連絡をとってもらえない等)可能性もありますので、そうした場合には、弁護士等の代理人を就けて話し合う・家庭裁判所の調停を利用するような方法が考えられます。
どのような方法で進めていくにしても、時間をかけてじっくりと取り組んでいかなければなりません。
場合によっては、最初は直接会うことがかなわずに、まずは手紙や写真での交流というところからのスタートになるかもしれません。
話し合いの内容によっては、1年以上の長期に及ぶケースもありますので、長期になることも見据えておかなければなりません。
面会交流と養育費の関係
本事例では、元妻は、元夫に対して、「養育費も払ってくれていないのに」と言っています。
たしかに気持ちとしては分からなくはないのですが、面会交流の実施と養育費の支払いは、別問題と考えられています。
ずっと子どもと会えていない状況は、非常に心苦しいものかと思います。
面会交流についてお悩みの方は、この問題に詳しい専門家弁護士に相談されることをお勧めします。
まとめ
以上、面会交流について、詳しく解説しましたがいかがだったでしょうか。
本事例のように、過去に離婚して随分と会っていない場合でも、基本的には面会交流を進めていくべきです。
もっとも、会っていない期間が長期になる場合、子供が置かれた状況を考慮して、慎重に進めていくことが重要となります。
また、相手から面会交流を拒否されたら、弁護士に交渉してもらう、家裁に面会交流の調停を申し立てる等の対応も必要となってきます。
これらの問題点について、的確に判断するためには専門知識と豊富な経験が必要です。
そのため、まずは離婚問題を専門とする弁護士にご相談のうえ、今後について助言をもらうことをお勧めいたします。
この記事が面会交流の問題でお困りの方にとってお役に立てれば幸いです。
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