子どもを虐待していた妻に対して裁判を起こした会社員Kさん
世帯年収:1000万円
婚姻期間:25年
解決方法:裁判
子どもあり (長男21歳、二男19歳)
離婚を切り出した
相手:専業主婦
サポート無 | サポート有 | 利益 | |
---|---|---|---|
離婚 | ×不成立 | ○成立 | – |
解決金 | 500万円 | 0円 | 500万円 |
Kさんは、25年前に妻と結婚し、2人の子どもがいました(長男21歳、二男19歳)。
Kさんは、大手企業に務めるサラリーマンで年収は約1000万円、妻は専業主婦でした。
Kさんは、妻の女性らしいところが好きになり、結婚しましたが、結婚後、態度を豹変させ、夫を罵倒・攻撃するようになりました。
そして、子ども達が小学生になると、妻は日常的に長男にも罵倒するようになりました。
また、子ども達が自分の言うことを聞かないと、体に噛みつく等の身体的虐待をするようになりました。
その後、妻の子ども達に対する虐待が激しくなっていきました。
Kさんは、これ以上、子ども達が妻と一緒に居ると、命の危険があると思い、別のアパートを借り、子ども達を連れて行き別居しました。
それから数年が経ち、子供達も大学へ進学する等成長し、自立への目処が立ったことから、Kさんは、妻に離婚を切り出しました。
ところが、妻は、過去の虐待を反省するどころか嘘を言い、Kさんや子ども達の非難しはじめたため、まったく話合いとなりませんでした。
そこで、Kさんは、離婚調停を申立て、円満に解決することを望みましたが、やはり話合いにはならず、調停は不成立となりました。
そこで、Kさんは、弁護士に相談し、離婚裁判を起こしました。裁判では、Kさん側の主張が認められ、離婚が言い渡されました。
ところが、妻は、これに対して控訴してきたのです。
弁護士は、まずは話合いで解決できないかと考え、妻に協議離婚の申入れをして交渉しました。
しかし、妻は頑なに離婚に応じませんでした。
そこで、離婚訴訟を提起し、妻の虐待の事実や婚姻関係が破綻していることを主張・立証しました。
妻も弁護士を代理人に立て応訴しました。
また、妻側は、和解離婚に応じる条件として500万円を要求してきました。当方はこれに応じず、訴訟は終了しました。
そして、判決ではKさんの離婚が認められました。
面会交流については、妻が子ども達を虐待していたことから、子ども達自身が妻に対して恐怖心を持っており、現時点では面会交流が困難であることを主張しました。
その結果、面会交流についても、妻側の要求を退けることに成功しました。
弁護士は、控訴審において、妻側の控訴理由に対して、反論しました。
すると妻は、控訴審においては、離婚を前提として、財産分与を求めてきました。
具体的には、夫の預貯金等の他、退職金も対象となると主張し、その2分の1である650万円を請求してきました。
預貯金:約50万円
生命保険(解約返戻金):約50万円
企業年金:約200万円
退職金の見込額:約1000万円
これに対し、弁護士は、別居期間が長期に及んでいること、夫には子ども達の教育資金の負債(約200万円)があることを主張しました。
また、夫の年齢から定年退職まで相当期間があることから、退職金は財産分与の対象とならないと反論しました。
その結果、控訴審において、妻側の当初の要求を大幅に減額し、200万円の財産分与で和解離婚することに成功しました。
当事務所は、話合いでの解決を重視しております。
本事案でも、まずは協議離婚の交渉から始めましたが、妻が頑なに離婚を拒否していたこと、また、訴訟でも十分勝てる見込がある事案でした。
そこで、早々交渉を打ち切り、訴訟を提起しました。
Kさんは、事件終了時、これで平穏な生活を送れると安心され、本当に喜んでいただきました。
面会交流は、親のためのものではなく、何よりも子どものために必要なものです。
そのため、離婚したとしても、夫婦の問題とは切り離して考えるべきであり、可能な限り、実現することが基本的には望ましいといえます。
しかし、本事案では、妻の過去の虐待により、子ども達に面会交流に対しての抵抗感がありました。
このような場合、面会交流を実施するよりも、実施しない方が子ども達の福祉にとって適切であると考えられます。
本事案では、妻側が1審で財産分与を求めてきませんでした。
控訴審になって、妻側は初めて財産分与を主張してきましたが、裁判所からは、財産分与について争いとなるようであれば、家裁に調停を申し立てるよう促されていました。
もし、家裁に再度、調停を申し立てられると、解決まで長期間(おそらく1年程度)を要してしまう見込でした。
Kさんは、早く解決し人生をやり直したいと願っていました。
そこで、妻側の弁護士を説得し、控訴審の期日間に粘り強く交渉をしました。
その結果、控訴審で財産分与も含めた和解を締結することができました。
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