離婚してくれないモラハラ夫と離婚を成立させ解決金を獲得した事例

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA


ご相談者Kさん
職業:会社員
婚姻期間:1年
解決方法:調停
離婚を切り出した

相手:会社員(単身赴任)

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

サポート無 サポート有 利益
離婚 ×不成立 ○成立
解決金 0円 60万円 60万円

 

状況

ご相談に来られたKさん(40代)は、夫と1年前に結婚しましたが、夫の単身赴任がきっかけで、結婚とほとんど同時に別居生活となりました。

夫は、Kさんとの別居を承諾していたにもかかわらず、別居後間もなくして、Kさんに対して同居を執拗に迫り、Kさんに数々の心無い言葉を浴びせました。

Kさんは、夫の暴言・態度に傷つき、体調を崩したことをきっかけに、結婚から3か月後に離婚を申し入れました。

しかしながら、夫は、絶対に離婚には応じない、離婚するなら多額の慰謝料を支払え、などと述べて頑なに離婚を拒否しました。

そのため、Kさんは、離婚申入れから7か月後、協議離婚の代理交渉を弁護士に依頼しました。

 

弁護士の関わり

Kさんから依頼を受けた弁護士は、夫との離婚協議を開始しました。

具体的には、協議離婚の申入れの内容証明郵便を送りました。

その文書の中には、離婚を求めること(その理由も含めて)、及び、これまで支払われていなかった生活費(婚姻費用)の支払いを求めることなどを盛り込みました。

これに対し、夫は、別居がKさんの同居義務の不履行であり、「悪意の遺棄」に該当するなどと主張し、頑なに離婚及び婚姻費用の支払を拒否しました。

そこで、弁護士は、早期解決を希望するKさんの意向を受け、婚姻費用分担審判と離婚調停を申し立てたところ、相手方は代理人弁護士を選任しました。

弁護士は、離婚の早期解決を目指すために、調停期日と期日の間に、できる限り先方とのやり取りを重ねたり、あるいは主張書面の提出を積極的に行いました。

その結果、離婚調停は、3回という比較的少ない回数で終わり、無事調停離婚を成立させることができました。

調停の流れについては、こちらをご覧ください。

婚姻費用についても、毎月支払いべき金額及び未払いとなっている金額を早期に確定させて主張し、最終的には、婚姻費用を含む解決金として60万円を獲得することに成功しました。

 

補足

本ケースのポイント

このケースのポイントは、協議に応じず不当な要求を行う相手方との協議を長期間続行することなく、裁判所の手続を早期に選択したことでした。

このケースは、直ちに離婚判決が出るほどの強い離婚原因はなく、訴訟に移行した場合、離婚まで数年かかる可能性があったため、なんとしても協議か調停で、相手方の離婚への同意を得る必要がありました。

感情的になっている相手方本人は、自己の主張に固執することも多く、弁護士がいくら分かりやすく説明をしても、協議が進まないこともあります。

弁護士このような場合、相手方が代理人弁護士を選任することがポイントとなります。

代理人弁護士は、依頼者である相手方の利益のためにも正しい見通しを説明するので、離婚条件の話し合いが進むことが多く、早期解決につながることがあるのです。

今回は、裁判所の手続と協議を並行して進めることで、裁判手続に不慣れな相手方が代理人を選任することにつながり、結果的に調停で当方に有利な条件で離婚を成立させることができたといえます。

 

離婚調停と婚姻費用分担調停について(参考)

弁護士本事例に関連することとして、離婚調停と婚姻費用分担調停について、若干の補足をしておきます。

これらの調停は、別々の事件となります。

つまり、離婚調停では、離婚について話し合いを行います。その中で、同時に親権や養育費等の話を行うこともあります。

他方で、婚姻費用分担調停では、離婚するまでの毎月の生活費について話し合いを行います。

離婚が成立するまでは、一方配偶者(本事例では、夫)は他方配偶者(本事例では、Kさん)に対して、毎月の生活費を支払う法的義務があります。

婚姻費用について、詳しくはこちらからどうぞ。

 

2つの調停は別々のものですが、当事者を同じくするため、同じ調停期日において行われることが通常です。

※なお、本事例では、婚姻費用分担調停ではなく、婚姻費用分担審判を申し立てております。
この背景には、それまでの協議で夫が婚姻費用の支払いを明確に拒否したため、話し合いで解決する余地がほとんどないという判断のもと、審判を申し立てたということがあります。
婚姻費用については、調停と審判の申し立ての順序は決まっていません。そのため、最初から審判を申し立てることも可能です。
最初から審判を申し立てることは、それほど多くないかと思いますが、審判をすぐに申し立てることもケースによっては考えられます。

 

 





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