550万円の不貞行為の慰謝料を実質100万円に減額したMさん

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA
ご相談者Mさん
職業:会社員
世帯年収:420万円
解決方法:裁判
子どもなし
慰謝料を請求された

相手:不貞相手の夫(30代会社員)

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

サポート
サポート
減額
利益
慰謝料 550
万円
100
万円
450
万円

 

状況

Mさんは、会社の同僚の女性(既婚)と不貞行為を行ってしまいました。

その後、その女性の夫がMさんの不貞行為を知ることになったため、Mさんは、慰謝料として550万円を請求されてしまいました。

Mさんのもとには、慰謝料を請求する旨の内容証明が、相手方の代理人弁護士から届いたため、Mさんは焦って、当事務所にご相談に来られました。

 

弁護士の関わり

Mさんによると、不貞行為を行ってしまったのは事実なので、責任をとって慰謝料を支払うのはしょうがないと考えているが、550万円もの額はとても払えないとのことでした。

Mさんの意向を汲んだ弁護士は、受任後速やかに相手方弁護士に対して受任した旨の通知を出すとともに、不貞行為の被害者の心情にも配慮した示談交渉を行いました。

事案の性質に鑑みて、判決になった場合の慰謝料額の見通しは、200万円程度であると考えた弁護士は、その半分に相当する100万円での示談を提案しました。

というのも、不貞行為の責任はUさんと不貞相手の2人で負うべきだからです。

この交渉は結果的には決裂し、訴訟になってしまいましたが、弁護士は、Mさんが負担すべき慰謝料額は飽くまでも100万円であると強く主張し、それ以上を相手方が望むのであれば、それはMさんではなく不貞相手に請求すべき旨を主張しました。

その結果、Mさんが負担する慰謝料額は100万円ということで、裁判上の和解がまとまりました。

 

補足

不貞行為を行ったことによる責任は、当該不貞行為を行った者同士が2人で連帯して負うことになるのが原則です。

「連帯して負う」の意味は、不貞行為の被害者は、不貞関係にある二人のどちらに対して、損害額全額の請求を行っても構わないということです(不貞行為による精神的な苦痛が、金銭にすると200万円だった場合、一人にはその半分の100万円しか請求できないということではなく、どちらに対しても200万円を請求できるということです。)。

この場合、全額を支払った方の不貞行為の加害者は、他方の加害者に対して、一定割合を請求することが可能になります。(これを「求償権を行使する」といいます。)

以上が法律上の原則なのですが、いちいち求償権を行使するのも迂遠なので、和解や示談の場合には求償権を行使しないという条件で、損害額の一定割合を支払うことで合意することは珍しくありません。

これを踏まえて、弁護士は、「Mさんに100万円以上を請求するのであれば、不貞相手に求償権を行使する」旨を相手方に伝えて交渉し、なんとか裁判上の和解に持ち込みました。

このように、不貞行為の被害者から慰謝料を請求されてしまった場合には、求償権をどうするかを戦略的に考慮して、交渉を進めていく必要があります。

不倫(不貞行為)と慰謝料についてくわしくはこちらをご覧ください。

 

 

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