離婚に応じない夫への対応【弁護士が事例で解説】
どのような条件が適切ですか?
裁判を回避するためのポイントとは?
このような場合の対処法について、当事務所の弁護士が実際の相談事例をもとに解説しますので参考にされてください。
婚姻期間:20年
解決方法:調停
子どもあり
離婚を切り出した
サポート無 | サポート有 | 利益 | |
---|---|---|---|
離婚 | ×不成立 | ○成立 | – |
養育費 | なし | 月額3万円(1人当たり) | 月額約6万円 |
年金分割 | なし | 0.5 | 月額約2万円 |
Hさんは20年ほど前に夫と結婚し、子どもがいました。
家族5人で平穏に暮らしていましたが、ある日夫が浮気をしていたことが発覚しました。
お子さんのこともあり、夫との関係をどうするか迷っていたHさんは、当事務所に相談に来られ、しばらくして離婚を決意し、依頼を受けました。
夫の浮気については、十分な証拠もありましたので、協議にて離婚の請求と慰謝料の請求を行いました。
その後、電話や面談を複数回行って、協議を進めていきましたが、夫は頑なに離婚を拒否したため、調停を申し立てました。
調停においても、夫は依然として離婚に消極的でしたので、訴訟提起も視野に入れつつ、そのことも調停委員を通じて夫に伝え、粘り強く交渉しました。
その結果、訴訟に移行せずに調停で離婚が成立し、お子さんの養育費も大学時の部分も含めて合意することに成功しました。
今回のような相手方に浮気=不貞行為があった場合、証拠からそのこと認められれば、民法770条1項1号に該当するため、裁判での離婚が可能です。
したがって、今回のケースでも最終的には裁判を提起して離婚を求めれば、離婚することができます。
しかしながら、裁判となると、平均して1年以上の期間がかかります。
離婚訴訟の場合、裁判の前に調停をしなければなりませんので、2年近くかかることは覚悟しておかなければなりません。
したがって、依頼者の精神的な負担も大きくなってしまいます。
そこで、訴訟になった場合の見通しを相手方に伝えて、できるだけ長期化させずに解決する方法をまずはとるべきです。
そのあたりの見極めは複雑かつとても重要ですので、専門家である弁護士に任せるべきです。
離婚が認められるか
裁判で離婚が認められるためには、法定の離婚原因が必要です。
これには5つあります。
この事案では、①に該当すると考えられます。
離婚原因については詳しくはこちらのページで解説しています。
裁判回避のために
このような不倫が問題となる事案では、相手が離婚に応じず、最終的に裁判となっても、裁判所は離婚を認めてくれます。
しかし、裁判は長年月を要しますし、その間、精神的な負担がかかると思われます。
そのため、可能であれば、裁判を回避し、早期に解決した方がよいでしょう。
裁判を回避するポイントとしては、相手にも早期解決のメリットを理解してもらうということです。
例えば、慰謝料が発生するような事案において、裁判では慰謝料を請求するが、調停で早期に解決できるのであれば慰謝料の請求を放棄するなど、相手に具体的なメリットを感じてもらう説明が効果的だと思われます。
まとめ
以上、夫側が離婚に応じない場合の離婚について、事例をもとに解説しましたがいかがだったでしょうか。
離婚問題では、まず、「裁判になったら離婚が認められるか」を押さえなければなりません。
また、裁判を回避して、早期解決するためには、説得的な交渉が必要です。
これらについては、離婚問題の専門家でなければ、対応が難しいと思われます。
当事務所では、離婚問題に注力した弁護士のみで構成される離婚事件チームがあり、離婚に関する様々な情報やノウハウを共有しており、離婚問題に苦しむ方々を強力にサポートしています。
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