再婚で養育費は打ち切り?3万円から大幅減額【弁護士が解説】

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA
掲載日:2017年5月2日|最終更新日:2020年6月3日

ご相談者Aさん
職業:会社員
解決方法:協議
子どもあり (女の子)


相手:Bさん(別男性と再婚)

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

サポート
サポート
減額
利益
養育費
(実質)
月額
3万2000円
月額
5000円
月額
2万7000円
減額
成人
までの
支払
合計
320
万円
50万円 270
万円
減額

状況

ご相談に来られたAさん(30代)は、数年前に前妻Bさんと離婚をし、前妻との間の子である長女Kちゃんの親権者を前妻Bさんと決めました。

書類と印鑑離婚の際、Aさんは、Bさんに対し、養育費として毎月3万円を支払うことを約束し、その旨の公正証書を作成していました。

しかし、その後、知り合いを通じ、Bさんの名字の変更があったことから、AさんはBさんが再婚をしたのではないかという疑念を抱くようになりました。

それでも、Bさんから再婚等について何ら連絡がなかったことに加え、 Aさんも再婚し、扶養すべき新たな子どももできたことから、養育費について現在の適正な額を知りたいと考えられ、弊所にご依頼をされました。

 

 

弁護士の関わり

依頼を受けた弁護士は、まず、再婚の事実について調査しました。

そして、調査の結果、Bさんが再婚をしていることがわかりましたが、再婚相手と長女Kちゃんは、養子縁組をしていないことも判明しました。

そのため、弁護士は、養子縁組がなされていないものの、実体として、長女Kちゃんは新たな家庭で養育されていることから、養育費の支払いを打ち切る旨を記載した通知書を送付しました。

書留その結果、当初は、Bさんも、養育費の支払いの継続を主張していたものの、Aさんの事情も変わっていること、養育費の支払いが現実的に難しいことを伝え、最終的には、長女Kちゃんが成人するまでの残期間(約8年)分の養育費として50万円(月額換算で約5000円)を支払うことで合意しました。

また、Bさんからは、改めて、AさんがBさんに対して支払うべき養育費はない旨の合意もでき、合意書を作成しました。

本件において、調査、通知書の送付、Bさんとの交渉、合意書の作成の各段階において、それぞれ迅速な対応をしたことにより、結局、ご相談から合意の成立までに要した期間は約2ヵ月でした。

 

 

 

養育費とは

養育費とは、子どもが社会人として独立自活ができるまでに必要とされる費用です。

養育費の内容としては、子の衣食住の為の費用・健康保持のための医療費・教育費が含まれます。

養育費の額については、当事者が合意さえすればいくらでもかまいません。

しかし、養育費は、通常、権利者(多くは母親)は少しでも多い額を希望し、反対に義務者(多くは父親)は少しでも少ない額を希望します。

そのため、家庭裁判所では、養育費の相場を決めています。

養育費の相場は、当事者の収入と子供の数・年齢によって算出が可能です。

養育費の計算方法などは、こちらのページをご覧ください。

 

 

養育費はどんなときに変更できる?

養育費は、合意した後でも権利者と義務者が承諾すれば、いつでも変更が可能です。

しかし、一度決めた養育費を変更することに、相手は承諾してくれない場合が多い傾向です。

相手が応じてくれない場合、養育費の変更を求めて、家裁に調停を申し立てることとなります。

そして、調停で話し合いがまとまらない場合、最終的には審判に移行します。

審判は、話し合いではなく、当事者双方の主張をもとに、裁判所が決定を出す手続きです。

裁判所では、裁判所はどのような場合に、養育費の増減を認めるでしょうか。

養育費の額の変更が認められるのは、事情変更があった場合です。

例えば、再婚して、再婚相手が子供を養子縁組した場合、事情変更があったとして、養育費の減免が認められる可能性が高いです。

本件の特殊性

この事件では、相手方であるBさんが、Aさんとの子について、再婚相手と養子縁組をしていなかったことに大きな特徴がありました。

養育費と養子縁組に関する詳しい説明は、こちらをごらんください。

養子縁組がなされていなければ、再婚をしたとしても、Aさんは、養育費の支払い義務を免れません。

また、調停を申し立てたとしても、減額には限界があるため、まずは交渉を開始することとしました。

そして、交渉においては、相手方の言い分についてもしっかりと耳を傾け、ある程度理解を示すことで、相手方との信頼関係を構築することにも力を入れました。

その結果、相手方との交渉もスムーズに進み、約2ヵ月という短期間で、おおよそこちらの要求どおりの合意が成立して事件は速やかに解決しました。

 

 

まとめ

弁護士以上、権利者が再婚した場合の養育費の問題について、実際の事例をもとに解説しましたがいかがだったでしょうか。

養育費は、一度取り決めをしても、事情の変更があれば増減が可能です。

通常、再婚した場合、養子縁組を行うことが多いので、養育費の減免の理由になりますが、養子縁組をしない場合、法律論的には減免は困難です。

しかし、交渉しだいでは、このような場合でも、養育費を減額できる可能性があります。

この事案のように、養育費減額の理由となる事実があるかどうかはっきりしていない状態でご相談に来られた場合でも、弁護士の迅速かつ適切な対応により、早期に養育費の減額ができる可能性があります。

そのため、養育費を減額できるか定かでない状態であっても、是非一度ご相談いただければと思います。

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