財産分与を求めてきた夫の要求を退けた妻Kさんの事例

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA


ご相談者Kさん
職業:公務員
世帯年収:750万円
婚姻期間:15年
解決方法:調停
子どもなし


相手:40代公務員

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

サポート
サポート
減額
利益
財産
分与
300万円 0円 300万円
減額

 

状況

書類と印鑑Kさんは、約半年前に夫と離婚をし、その際、離婚条件について合意書を作成していました。

合意書には、子の親権者を夫とし、養育費や慰謝料支払義務については双方負担しない旨記載されていました。

そして、Kさん夫婦は、長い間夫婦仲がうまくいっておらず、離婚時に財産分与をしない前提で家計を別々にしていたため、財産分与はしない予定で合意書には財産分与について何も記載しませんでした。

さらに、合意書には、合意書に定めていること以外に双方権利義務関係がないことを確認するための「清算条項」が定められていました。

そのため、Kさんとしては、財産分与も含め離婚に関しては全て解決したものと考えていました。

ところが、夫は、離婚後、Kさん名義の古い通帳を発見したことをきっかけに、Kさんに対し財産分与を請求してきました。

Kさんは、当然夫からの要求を拒みましたが、夫は代理人を立てた上で調停まで申し立ててきました。

そこで、Kさんは当事務所の弁護士にご相談されました。

 

弁護士の関わり

弁護士は、裁判所と夫の代理人に対し、Kさんの代理人となったことを通知し、夫の提出した申立書に対する反論書面を作成しました。

弁護士本村安宏また、Kさんの代わりに調停に出席し、離婚に至る経緯や離婚合意書を作成した経緯を説明しました。

証拠関係を踏まえると、夫の要求が認められる可能性は低いと考えられましたが、夫は、感情的になっておりなかなか諦めませんでした。

そこで、調停の期日外で弁護士同士での面談を行い、本件を解決するためにお互いが譲歩できる点について話合いをしました。

その結果、調停外で合意が成立し、夫の財産分与請求調停は取り下げられることになりました。

 

補足

財産分与とは、婚姻期間中に夫婦で形成した財産を分ける制度です。

詳しくはこちらをご覧ください。

本件は、清算条項を定めた合意書があるにもかかわらず、相手方がそれに反する要求をしてきたという事例でした。

離婚合意書について清算条項を定めた以上、後日、離婚に関して合意書に書かれたこと以外の請求をしても認められる可能性はかなり低いと考えられます。

もっとも、養育費については減額請求や増額請求が可能ですし、そもそも合意書作成時の状況によっては合意が無効との扱いを受ける可能性もあります。

合意書は、事後的な紛争を回避するために作成するものですが、絶対のものではありません。

合意書を作成した経緯をきちんと把握しておくことは重要ですし、よくわからないまま合意書にサインすることには大きなリスクが伴うと考えておく必要があります。

 





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