養育費減額がうまくいかなかった状況で、約2か月で0円にした事例

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA


ご相談者Uさん
職業:会社員
解決方法:協議
子どもあり (2人)
養育費の減額

相手:30代専業主婦

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

サポート無 サポート有 減額利益
養育費 月額5万円 0円 月額5万円

 

 

状況

家族Uさんは相手方と婚姻後、2人の子どもを授かりました。

その後、Uさんと相手方は、親権を相手方、養育費を月額6万円(1人当たり3万円)とする条件で協議離婚しました。

そして、離婚条件を公正証書化し、Uさんは養育費を支払い続けていました。

それから数年後、相手方は再婚し、2人の子ども達は相手方の新たな配偶者との間で養子縁組をしました。
※Uさんもほぼ同時期に再婚していました。

Uさんは当初、相手方の再婚の事実を知りませんでしたが、あることをきっかけにその事実を知りました。

そして、公正証書には、離婚等の事情の変更があったときに養育費について誠実に協議し、円満に解決することが規定されていたため、Uさんは相手方に養育費の減額を求めました。

養育費減額を求めたUさんでしたが、あまりうまくいかず、結局減額は1万円に留まりました。

そのため、協議後は月額5万円の養育費の支払いを継続していました。

しかし、Uさんと再婚相手との間に子どもができたことで今後の経済的な面に不安を感じ、弊所にご相談されました。

 

 

弁護士の関わり

まず、弁護士はUさんから離婚時の取り決め事項、その後の協議の経過や結果等について、細かく聞き取りをしました。

その上で、養育費の減額可能性や減額幅等について、見通しを説明しました。

本件は、相手方の再婚相手と2人の子ども達の間で養子縁組をしているかどうかが重要になるケースでした。

そこで弁護士はまず、職務上請求等の方法によって、相手方の住所、再婚・養子縁組の事実の有無を調査しました。

調査の結果、相手方の再婚及び再婚相手と2人の子ども達の養子縁組の事実が判明しました。

以上の事実が判明した後、弁護士は内容証明で相手方に養育費の免除を求めました。

その後、相手方と交渉し、合意時点以降Uさんが支払う養育費を0円とすること、相手方の養子縁組日以降の養育費について返還を求めないこと等を内容とする合意をしました。

そして、当該合意内容で合意書を交わしました。

本件は、約2か月(交渉開始からだと約1か月)で解決することができました。

 

 

補足

本件では、養育費の減額が争点となりました。

一般的に、子どもの成長や親の再婚等によって、一度決めた養育費でも、事後的に増減する可能性があります。

裁判所が、事情の変更を理由に、養育費を増額させたり減額させたりする判断をする例も実際にあります。

再婚に伴う養子縁組があった場合の養育費の増減というのも、この「事情変更」に当たることが多いです。

もっとも、実際に養育費を決めた経緯、その後再婚するまでのタイミング等を検討する必要がありますので、結果がどうなるかはケースバイケースです。

現実にはやってみなければどうなるか分からず、不明確な点が多いのも事実です。

現に、個々の事情によって審判内容が変わることがありますし、様々な審判例の積み重ねがあります。

本件では交渉の結果、結果として養育費を0円とすることに成功しました。

審判になった場合どうなるか分からない部分もありますので、裁判手続外での交渉で解決するメリットは大きいといえます。

また、Uさんは当初、ご自身で養育費減額交渉を行いましたが、ご本人ではなかなかうまくいかないこともあります。

事情変更が認められるのかどうか、その必要性、相当性の判断も含めて慎重に行う必要があります。

 

 

養育費シュミレーター



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