同居したことがない妻から子どもを引き取り、親権を取得した男性の事例
世帯年収:170万円
婚姻期間:2年
解決方法:裁判
子どもあり (1歳)
離婚を切り出した
相手:30代アルバイト
サポート無 | サポート有 | 経済的利益 | |
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監護権 | × | ○ | – |
親権 | × | ○ | – |
Aさんは、2年前に結婚したものの、妻が里帰り出産から実家での生活を続け、同居したことがありませんでした。
妻は、子どもが産まれてからも、子どもとともに実家で生活をしていました。Aさんの妻は、結婚前からうつ病の波が酷く、子どもが産まれた後には子育てのためにうつ病が悪化し、入院したこともありました。
Aさんは、妻がうつ病が原因で子どもの世話を妻の親族に任せきりであったこともあり、子どもをAさんのもとで生活させることを提案しました。
妻は、非常に悩んでいたものの、子どもをAさんに引き渡すことに同意しました。
Aさんは、子どもを引き取るために妻の親族に事情を説明し、妻の親族の協力のもとで子どもを引き取りました。
しかし、翌日、妻は子どもを渡すことに同意したことを否定し、妻の親族もAさんによる子どもの連れ去りを主張しました。妻は、Aさんに対し、弁護士をつけて「子の監護者の指定・引渡審判」の申し立てを行いました。
弁護士は、Aさんからの相談を受け、子どもを引き取るにあたり妻の同意を裏付ける証拠がないか聴き取ったところ、引き取り前後の親族との会話に関する音声が残っていました。
通常、同居したことがないまま子どもを引き取ろうとした場合、ほぼ「子の連れ去り」と評価されて子どもを引き渡すことになります。しかし、今回のケースは「妻側の同意」のもとに子どもを連れ帰っているため、通常のケースとは異なる状況となっています。
また、弁護士は、妻の病状についても聴き取りを行い、妻の子どもに対する監護養育の能力を調査しました。
すでにAさんは子の引渡し請求を受けている状態であったため、弁護士は、妻からの請求を退けるためにAさんに子育て環境を整えること、勤務先との調整、妻と子の面会交流などのアドバイスを行い、証拠資料の収集を始めました。その上で、裁判手続を通じて妻側の病状についての資料の開示請求を行い、証拠として提出しました。
裁判所の手続を通じて戦略的に主張と証拠の摘示や調査官調査への同行などを行った結果、妻側の子の引渡し請求を退け、Aさんが子の監護者として指定されるという審判を得ることができました。
その後、弁護士は、妻側が子の引渡し請求の際に離婚意思を明確にしていたため、Aさんの意向を確認し、離婚調停でAさんを親権者とする離婚条件で、離婚を成立させました。
子どもの監護権・親権については、子どもが幼年であればあるほど、それまで子どもの面倒を見ていた側に有利となります(監護実績)。
もっとも、夫側が親権を争う場合、仕事との兼ね合いがありますので、どうしても妻側が子どもを見ている状態となることが多くなり子どもに割ける時間が妻に比べて短い場合がほとんどです。
夫がほとんど子どもの面倒をみている場合であっても、「子どもの面倒は母親がみるもの」という先入観が働きますので、夫が子どもの面倒を見てきた場合には、妻側以上に詳細に証拠を集めて立証しなければならないのが現実です。
しかし、妻側が子どもの面倒をみていた場合であっても、妻の同意のもとに子どもを引き取った場合には、証拠は必要となりますがAさんのように子の監護権・親権を取得できる可能性が高まります。
男性側である場合にも、諦めずに離婚問題に精通した弁護士にご相談ください。
親権について、くわしくはこちらをごらんください。
なぜ離婚問題は弁護士に相談すべき?弁護士選びが重要な理由とは?
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