不貞相手を明かさない妻から慰謝料獲得と離婚を成立させたDさんの事例

弁護士法人デイライト法律事務所 弁護士  

ご相談者Dさん
職業:会社員
世帯年収:700万円
婚姻期間:2年
解決方法:調停
子どもなし
離婚を切り出した

相手:20代会社員

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

サポート無 サポート有 利益
離婚 不成立 成立
慰謝料 0円 150万円 150万円増額
婚姻費用 相当額支払う 0円 月額相当額の減額

 

 

結婚をして半年もたたず、不貞妻を追い出し、別居したDさん

Dさんは、平成29年に妻と結婚しました。

しかし、結婚をして半年もたたない間に、妻はDさん以外の男性と不貞関係を結んでいたことが明らかになりました。

これを許せなかったDさんは、自宅から妻を追い出す形で、別居が開始されました。

Dさんと妻の間にはお子さんはいませんでした。

そのため、離婚における争点は不貞慰謝料如何によるところとなりました。

そこで、Dさんは、当事務所の弁護士に相談しました。

 

 

交渉に応じなかった妻が慰謝料の一時金を支払い解決

弁護士は、Dさんの代理人として、妻に協議離婚の申入書を送付し、離婚の協議をしたいことを通知しました。

また、不貞行為の追及として慰謝料の支払いを同時に求めました。

これに対して、妻はDさんにも問題があったと反論しつつ、慰謝料の支払いについてかなり長期の分割案を提案してきました。

支払総額はもちろん、長期分割案に同意することはできないため、さらなる追及を続けましたが、妻も頑なに支払いに応じない姿勢を示してきました。

そこで、Dさんから妻に対し、離婚調停を申し立てることにしました。

離婚調停になってから、妻は代理人弁護士をつけました。

その後も妻側は慰謝料の金額を巡って争いを続けました。

結局、調停は不成立に終わりましたが、調停終了後に妻の代理人弁護士と任意での交渉をした結果、総額を150万円とし、一時金として50万円の支払いに応じさせることができました。

 

 

解説

本件のメインの争点について解説します。

慰謝料について

婚姻関係にありながら、夫(又は妻)以外の異性と肉体関係を持つ行為は、夫婦の信頼関係を破壊させるものですので、慰謝料を支払う義務が発生します。

慰謝料の金額はケースバイケースではありますが、婚姻関係を破綻させた場合は100万円を超えることがほとんどといえます。

不貞自体に争いがない場合、次に問題になるのは慰謝料の総額と支払方法です。

不貞した相手が許せないというのは自然な感情といえます。

もっとも、勝訴判決を得ることができたとしても、相手が支払能力に乏しい場合、即時に慰謝料を回収することは容易ではありません。

相手の支払能力を見ながら、現実的な支払いをさせるという方法もしっかり検討する必要があります。

慰謝料について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

婚姻費用について

収入を多く得ている配偶者(多くは夫側です。)は、相手に対して生活費(これを「婚姻費用」といいます。)を支払う義務があります。

もっとも、妻が不貞をしたという場合、自ら婚姻関係を破綻させたにもかかわらず、自身の生活費の支払いを求めるというのはあまりに身勝手です。

こういった場合、裁判所は不貞配偶者の生活費相当分についての支払いを認めない傾向にあります。

※「別居ないし破綻について専ら又は主として責任がある配偶者の婚姻費用分担請求は、信義則あるいは権利濫用の見地からして、子の生活費に関わる部分(養育費)に限って認められると解するのが相当である」(大阪高決平成28年3月18日)

本件では、Dさんの妻が不貞関係を持ったことにより婚姻関係が破綻したことは明白ですので、破綻について主として責任があるのはDさんの妻であるといえます。

もし子どもがいた場合、子どもに罪はありませんので、養育費相当額に限り支払いを認めることはあります。

もっとも、本事案の場合、子どもがいませんでしたので、妻に婚姻費用を支払うことなく離婚に至ることができました。

婚姻費用について、詳しくは以下をご覧ください。

不貞行為があった場合の婚姻費用については、以下もご覧ください。

離婚問題については、当事務所の離婚弁護士まで、お気軽にご相談ください。

 

 

 

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