離婚裁判の訴状等の書き方見本一覧【弁護士が解説】
離婚裁判とは、離婚とその他の条件について、裁判所に判断してもらう手続きのことをいいます。
訴状とは、その申立の際に、裁判所に提出する書面のことをいいます。
不倫がある場合、不倫相手にも裁判を起こすことがあり、この場合も訴状が必要となります。
その他、離婚裁判では、財産調査として、調査嘱託申出書を提出したり、親権に争いがある場合は子の陳述書を提出することがあります。
ここでは、これらの書式のサンプルを紹介しています。
すべて無料でダウンロードが可能ですので、ご参考にされてください。
もっとも、相談者の方がおかれた状況は多種多様であり、どのような方法を選択すべきかは一概に言えません。
そのため、サンプルはあくまで参考程度にとどめ、離婚専門の弁護士への相談を強くお勧めします。
また、書式の使用は、離婚問題に苦しむ当事者個人の方及び弁護士のみとさせていただきます。
他士業その他の事業者の方に対しては、弁護士法違反(非弁活動)のおそれがあるため、無断使用を一切認めておりません。
目次
離婚裁判の訴状の書き方(被告が配偶者のみの場合)
この書式は、離婚裁判において、訴訟を提起する際に提出する訴状のサンプルです。
訴状には、次の事項を記載します(民事訴訟規則53条1項)。
- 請求の趣旨(被告に請求する内容)
- 請求の原因(請求を特定するのに必要な事実)
- 請求を理由づける事実(具体的に記載し、かつ、立証を要する事由ごとに、当該事実に関連する事実で重要なもの及び証拠を記載する。)
このサンプルは、妻(原告)が不倫をした夫(被告)に対して、離婚の他に、親権、養育費、財産分与、慰謝料、年金分割などを請求する内容です。
訴状の記載は、具体的なケースによって当然異なります。また、訴状の記載は、専門性やノウハウが必要であり、訓練を受けた弁護士でなければ難しいと思われます。
そのため、参考程度にとどめ、詳しくは専門家にご相談されることをお勧めいたします。
離婚裁判については、こちらのページに詳しい解説を掲載しているので、ぜひご覧ください。
離婚裁判の訴状の書き方(被告が配偶者と不倫相手の場合)
この書式は、離婚裁判において、訴訟を提起する際に提出する訴状のサンプルです。
訴状には、次の事項を記載します(民事訴訟規則53条1項)。
- 請求の趣旨(被告に請求する内容)
- 請求の原因(請求を特定するのに必要な事実)
- 請求を理由づける事実(具体的に記載し、かつ、立証を要する事由ごとに、当該事実に関連する事実で重要なもの及び証拠を記載する。)
このサンプルは、妻(原告)が不倫をした夫(被告)に対して、離婚の他に、親権、養育費、財産分与、慰謝料、年金分割などを請求する内容です。また、上記の書式と異なり、不倫相手の女性も共同被告として慰謝料を請求しています。
訴状の記載は、具体的なケースによって当然異なります。また、訴状の記載は、専門性やノウハウが必要であり、訓練を受けた弁護士でなければ難しいと思われます。
そのため、参考程度にとどめ、詳しくは専門家にご相談されることをお勧めいたします。
離婚裁判については、こちらのページに詳しい解説を掲載しているので、ぜひご覧ください。
慰謝料請求の訴状の書き方(浮気・不倫相手への請求)
この書式は、配偶者の浮気・不倫相手に対して、慰謝料請求の裁判を起こすときに提出する訴状のサンプルです。
訴状には、次の事項を記載します(民事訴訟規則53条1項)。
- 請求の趣旨(被告に請求する内容)
- 請求の原因(請求を特定するのに必要な事実)
- 請求を理由づける事実(具体的に記載し、かつ、立証を要する事由ごとに、当該事実に関連する事実で重要なもの及び証拠を記載する。)
このサンプルは、妻(原告)が不倫をした夫(被告)と不倫相手が同僚女性に対して、慰謝料を請求する内容です。
訴状の記載は、具体的なケースによって当然異なります。また、訴状の記載は、専門性やノウハウが必要であり、訓練を受けた弁護士でなければ難しいと思われます。
そのため、参考程度にとどめ、詳しくは専門家にご相談されることをお勧めいたします。
浮気・不倫の慰謝料請求については、こちらのページに詳しい解説を掲載しているので、ぜひご覧ください。
調査嘱託申出書(預貯金等の場合)の書き方
この書式は、離婚裁判において、調査嘱託を申し出る際に提出する訴状のサンプルです。
このサンプルは、原告が被告に対して、財産分与を求めている事案において、夫が財産開示に応じていない場合に夫名義の預貯金について調査を行うケースを想定しています。
取引履歴については、通常、別居日等を基準に1年程度遡った期間とする等、必要な範囲に限定します。
記載要領は、具体的なケースによって当然異なります。そのため、参考程度にとどめ、詳しくは専門家にご相談されることをお勧めいたします。
預貯金については、調査方法など、こちらのページに詳しい解説を掲載しているので、ぜひご覧ください。
文書送付嘱託申立書(預貯金の取引履歴)の書き方
離婚事案では、相手方が財産分与の負担を不当に免れるために資産隠しを行うことが想定されます。
特に、預貯金の場合は夫婦関係が悪化して離婚を意識してから、正当な理由なく、預貯金を引き出すなどの事象が見受けられます。
財産分与基準時以前に、預貯金の引き出しがあると、調査嘱託(上記を参照)では適切に財産を把握できない可能性があります。
そこで、預貯金の引き出し等の可能性がある事案では、口座の取引履歴の文書送付嘱託により、金融機関から取得する方法が考えられます。
文書送付嘱託申立書のサンプルをご紹介します。対象文書の範囲を特定するため、できる限り必要な期間を特定して記載することがポイントとなります。
申立書の記載は、具体的なケースによって当然異なります。
そのため、参考程度にとどめ、詳しくは専門家にご相談されることをお勧めいたします。
財産分与については、こちらのページに詳しい解説を掲載しているので、ぜひご覧ください。
調査嘱託申立書(確定拠出年金)の書き方
確定拠出年金とは、拠出された掛金とその運用収益との合計額をもとに、将来の給付額が決定する年金制度のことをいいます。
掛金を事業主が拠出する企業型年金と、加入者自身が拠出する個人型年金(iDeCo)があります。
このような将来、受給予定の年金であっても、その形成を夫婦が協力して行い、基準時(通常は別居時)における夫婦の実質的共有財産がある場合、財産分与の対象となります。
財産分与については、こちらのページに詳しい解説を掲載しているので、ぜひご覧ください。
相手方の財産分与の基準時(通常は別居時)における確定拠出年金の時価評価額を確認する場合、調査嘱託の申立てを行うことが考えられます。
調査嘱託申立書のサンプルを掲載するのでご参考にされてください。
なお、調査嘱託によって得られた回答書等の調査の結果を証拠とするには、裁判所がこれを口頭弁論において提示して当事者に意見陳述の機会を与えれば足り、援用を要しません。
なお、申立書の記載は、具体的なケースによって当然異なります。
そのため、参考程度にとどめ、詳しくは専門家にご相談されることをお勧めいたします。
調査嘱託申出書(保険の場合)の書き方
この書式は、離婚裁判において、調査嘱託を申し出る際に提出する訴状のサンプルです。
このサンプルは、原告が被告に対して、財産分与を求めている事案において、夫が財産開示に応じていない場合に、夫名義の保険の解約返戻金の額について調査を行うケースを想定しています。
記載要領は、具体的なケースによって当然異なります。そのため、参考程度にとどめ、詳しくは専門家にご相談されることをお勧めいたします。
保険の解約返戻金について、調査方法など、こちらのページに詳しい解説を掲載しているので、ぜひご覧ください。
調査嘱託申出書(退職金の場合)の書き方
この書式は、離婚裁判において、調査嘱託を申し出る際に提出する訴状のサンプルです。
このサンプルは、原告が被告に対して、財産分与を求めている事案において、夫が財産開示に応じていない場合に、夫の退職金の額について調査を行うケースを想定しています。
退職まで時間があるケースでも、会社に退職金制度があれば、財産分与の対象となる可能性があります。したがって、財産開示を行うべきです。
記載要領は、具体的なケースによって当然異なります。そのため、参考程度にとどめ、詳しくは専門家にご相談されることをお勧めいたします。
退職金について、調査方法など、こちらのページに詳しい解説を掲載しているので、ぜひご覧ください。
子の陳述書(親権の希望を裁判所へ提出)
この書式は、親権者の希望を裁判所に提出する際に使用する書式の記入例です。
子どもが15歳以上の場合、親権者の指定にあたって、子どもの意向を聞くことが法律上の義務となっています(人事訴訟法32条4項)。
なお、子の監護に関する処分の審判(子の監護に要する費用の分担に関する処分の審判を除く。)をする場合も同様です(家事手続法152条2項)
この書式は、裁判所からの照会に対して、15歳以上の子どもの意向を伝える際に、福岡家庭裁判所が採用している書式です。
子ども本人に記載してもらう必要があります。また、ボールペンを使用します。
親権についてお悩みの方は、こちらをぜひご覧ください。
第三者閲覧制限の申立書
この書式は、離婚裁判において、訴訟記録のうち指定した箇所について、閲覧、当社等の請求ができるものを、訴訟当事者に限ることを求める際に提出する申立書のサンプルです。
このサンプルでは、訴訟記録のうち、ある部分が第三者に知られることによって、原告に更なる精神的負担がかかり、結果、社会生活を営むのに著しい支障が生じるおそれがあるケースを念頭においています。
記載内容等は、具体的なケースによって当然異なります。
そのため、参考程度にとどめ、詳しくは専門家にご相談されることをお勧めいたします。
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