解決事例
更新日2021年3月2日

バイク事故により腰を痛め14級に認定された事例

執筆者:弁護士 鈴木啓太 (弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士)

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

ご相談者Kさん

受傷部位腰(腰椎捻挫、右膝打撲など)
等級14級9号
ご依頼後取得した金額
約220万円

内訳
損害項目 弁護士によるサポート結果
傷害慰謝料 約110万円
後遺傷害慰謝料 99万円
後遺障害逸失利益 約65万円
過失割合 15%
回収額 約220万円

※その他にも治療費など表には記載していない損害があります。回収額は過失相殺した後の金額です。

 

状況

Kさんは、バイクで幅6メートル程の道路を走行していたところ、駐車場からバックで道路に進入してきた相手方車両を見つけ、衝突するのを避けるために、急ハンドルを切ったところ転倒してしまいました。

この事故によりKさんは、幸い骨折や脱臼はなかったものの、腰椎捻挫、右膝打撲、顔面打撲などの傷害を負いました。

事故後、Kさんは、整形外科に通院を開始し、継続してリハビリを受けていましたが、過失割合について保険会社と話がつかないため、不安になったKさんは、弊所に相談に来られました。

 

 

弁護士の対応

ご依頼と過失割合の交渉

弁護士は、相談時において、事故状況や症状の程度などを詳細に聞き取りました。

Kさんは、過失割合について、自分で交渉することに限界を感じており、また、弁護士費用特約(弁護士費用が保険で賄える保険)に加入されていたこともあって、すぐに弊所弁護士にご依頼されることになりました。

相談時において、ケガに関しては、完治するように継続してリハビリを続けるようアドバイスを行っています。

過失割合については、まず保険会社の言い分を確認することにしました。

保険会社によれば、今回の事故は、車両同士が接触した事故ではなく、Kさんが過剰に回避したことも影響して発生した事故であるとの主張がなされ、Kさんには少なくとも30%程度は過失があり、どんなに譲歩しても20%の過失があるとの主張でした。

そこで、弁護士において、実況見分調書(警察が事故の状況を記載した書面)を取得し、事故態様について確認を行いました。

そうしたところ、確かに、車両同士が非接触の事故ではあるものの、事故の原因は、相手方車両が駐車場から、突然、道路に進入したことが原因であると思われる内容でした。

弁護士は、実況見分調書に基づき、Kさんの過失は小さく、事故の主たる原因は相手方の不注意であることを具体的に主張しました。

そうしたところ、最終的には、Kさんの過失割合は15%で合意することができました。

 

後遺障害申請と示談交渉

Kさんは、継続してリハビリを行いましたが、痛みはなかなか完治しませんでした。

最終的に、事故から約1年を経過した時点で症状固定(痛みが一進一退でそれ以上すぐには治らない状態)となり、後遺障害の申請を行うことになりました。

弁護士は、後遺障害申請に必要な書類の一切を集めて、後遺障害の申請を行いました。

そうしたところ、腰の痛みについて、後遺障害14級9号の認定を受けることができました。

弁護士は、後遺障害の結果に基づき、裁判基準(裁判になった場合の賠償水準で最も高い水準)でKさんの損害を計算し、保険会社に請求を行いました。

保険会社の回答は、後遺障害逸失利益は概ね裁判基準での回答でしたが、慰謝料に関しては、裁判基準の80%という回答でした。

これに対して、弁護士は、治療期間が長期に及んでいることやKさんに残存している症状などを具体的に説明し、裁判基準での解決を求めましたが、保険会社は、裁判基準の90%までしか譲歩しませんでした。

弁護士は、裁判を行うメリットとデメリットを説明して、訴訟提起するかどうか、Kさんと相談しました。

Kさんとしては、時間のかかる裁判をするよりも早期解決してすっきりしたいとのご意向でしたので、最終的には、冒頭記載の表の金額で示談することになりました。

 

 

弁護士のアドバイス

交通事故事件では、過失割合で争いになることが数多くあります。

特に、本件では、非接触事故であったため、過失割合は特に問題になりました。

過失割合で争いになった場合には、実況見分調書やドライブレコーダーなどから、事故態様を特定し、その上、過失の割合を主張していくことになります。

実況見分調書は、人身事故の場合には作成されますが、物件事故の場合には、物件報告書という簡単な事故態様の書面しか作成されません。

事故で負傷したものの、人身事故にされていない被害者の方も一定数いらっしゃいますが、事故態様で争いになりそうな場合には、警察に診断書を提出して人身事故にされておくことをお勧めします。

 

 


なぜ交通事故は弁護士選びが重要なのか

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