解決事例
更新日2020年8月4日

夫婦で交通事故に遭い、430万円の補償を受けた事例2人

執筆者:弁護士 西村裕一 (弁護士法人デイライト法律事務所 北九州オフィス所長、パートナー弁護士)

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

ご相談者Vさん

受傷部位夫(頸部、腰部)、妻(頸部)
等級夫:併合14級(14級9号(頸部痛、腰部痛)、妻:14級9号(頸部痛)
ご依頼後取得した金額
夫:290万円、妻:340万円

内訳
損害項目 弁護士によるサポート結果(夫)
傷害慰謝料 80万円
後遺障害逸失利益 110万円(5%、5年間 裁判基準)
後遺障害慰謝料 100万円
結果 290万円

 

損害項目 弁護士によるサポート結果(妻)
傷害慰謝料 90万円
休業損害 70万円
後遺障害逸失利益 80万円(5%、5年間 裁判基準)
後遺障害慰謝料 100万円
結果 340万円

 

状況

Vさん夫婦は、信号待ちで前の車に続いて停車していました。

そこに、反対車線からアクセルとブレーキ操作を誤って交差点に進入した相手方の自動車に衝突する交通事故にあいました。

相手方はパニックになってしまい、逆走してしまった形になり、自動車5台の絡む大事故でした。

Vさん夫婦は、事故直後に救急車で搬送されましたが、骨には異常はなく、その日は帰宅しました。

しかし、その後まもなく二人とも首の痛みが出てきたため、近くの整形外科に通院しました。

ご主人はお仕事の兼ね合いで整形外科になかなか行けなかったため、整骨院と合わせて通院を継続しました。

奥様の方も、整形外科で痛み止めの薬をもらいながら、整骨院で電気治療などの治療を受けました。

そして、ご主人は事故から6か月で、奥様は事故から7か月でそれぞれ症状固定となり、後遺障害の申請を行いました。

その結果、ご主人は首と腰の痛みでそれぞれ14級9号の認定、奥様は首の痛みにより14級9号の認定を受けました。

後遺障害の認定を受けた後、最終的に補償してもらえる賠償額の基準がわからなかったVさん夫婦は、弁護士に相談することにしました。

 

弁護士の対応

解説図Vさん夫婦から事故の内容、それぞれの症状を確認したのち、経過の診断書や後遺障害診断書の記載内容を確認しました。

そうしたところ、後遺障害の認定自体は14級の認定で妥当であったことから、相手方保険会社と示談交渉を開始することとなりました。

弁護士において、ご夫婦のそれぞれの賠償金額を裁判基準(裁判をした場合の賠償水準で最も高い水準)で算出し、保険会社に賠償の提示を行いました。

そうしたところ、当初保険会社は、慰謝料は裁判基準の80%、逸失利益は3年間の補償で足りると主張していました。

そこで、弁護士は、ご夫婦の痛みの残存の状況、ご主人の痛みによる仕事への支障、奥様の家事への支障をさらに具体的に保険会社に主張し、慰謝料の増額と逸失利益を5年間とするよう交渉を行いました。

さらに、今回の事故が相手方の一方的な過失で起こった大事故であり、実際にも車は大破していたことなどから、Vさん夫婦に生じた衝撃は非常に大きかったことも主張しました。

そうしたところ、最終的には慰謝料は裁判基準の90%程度となりましたが、逸失利益については、お二人とも5年間の補償を認めさせることができました。

結果として、ご主人は 180万円、奥様は主婦休業損害も合わせて 250万円で示談が成立し、430万円を夫婦で補償されました。

ご依頼いただいて示談成立まで3か月弱という期間で解決に至りました。

弁護士のアドバイス

交通事故の賠償基準

交通事故の賠償の基準は、自賠責保険の基準、任意保険会社の基準、裁判基準の3つがあります。

最も、高い賠償水準は、裁判基準です。

裁判基準は、裁判をした場合に、裁判所が使用する賠償水準です。

このように、交通事故の賠償基準は複数あるため、本件のVさんのように、どの賠償基準で補償してもらえるのかよく分からず相談に来られる方もいます。

弁護士が介入していない状態で保険会社と示談交渉をする場合、保険会社は、自賠責保険の基準あるいは、任意保険会社の基準で賠償の提示をしてきます。

他方で、弁護士が介入している場合には、裁判基準を前提に賠償の交渉を行います。

示談交渉の段階でも、裁判基準で解決できることもありますし、本件の慰謝料のように、裁判基準の90%程度で合意することもあります。

本件では、Vさんご夫婦は、裁判をすることまでは望んでおられず、早期解決を望まれていたため、訴訟提起までは行わず、慰謝料については、譲歩して合意をまとめています。

主婦・主夫の休業損害

本件では、Vさん夫婦の賠償金額を見ると、奥様の方が70万円程高くなっています。

これは、ご主人は、仕事を休んでおらず、休業損害がなかったのに対して、奥様は、主婦としての休業損害があったためです。

主婦主婦の休業損害の1日単価は、賃金センサス(平均賃金)を用いて計算します。

1日単価は、約1万円程度のなるため、最終的な賠償額をみると、主婦の方の賠償額がサラリーマンの方よりも高額になる傾向があります。

主婦・主夫の休業損害について詳しくはこちらをご覧ください。

本事案のお客様の声

今回の事例は解決後にVさんからお話を伺うことができました。

実際に当事務所の弁護士にご依頼いただいた感想をお話いただきましたので是非こちらも合わせてご覧下さい。

 

 


なぜ交通事故は弁護士選びが重要なのか

続きを読む