『会社を子供に継がせたい』

『後継者のことで悩んでいる』

『父親の会社をスムーズに引き継ぎたい』

デイライト法律事務所の企業法務チームには、このような事業承継に関するご相談が多く寄せられています。

円滑な事業承継は、企業が持続的に成長するために必要不可欠となります。

事業承継について、企業法務に精通した弁護士が解説いたします。

 

事業承継とは

事業承継とは、例えば、会社の経営者が経営権を息子に継がせることをいいます。

よく事業承継において、ご相談を頂くことは、「どのような形で事業を告がせれば良いのか?」というお悩みです。

昨今では、ビジネスの環境も非常にスピーディーに変化が起こり、ビジネス環境もあっという間に変わっていきます。

例えば、現在中小企業といえど、国内企業だけを相手に業務を進めていくことは難しく、中国や東南アジアといった新興国に生産の拠点を作る、下請け業者を模索するなど、グローバル化が一層進行してきています。

また、経営の効率化を図るべく、選択と集中が各企業によって行なわれており、大企業の参加に収まるのか、あるいは地域密着型できめ細かいサービス展開をして生き残るのかという選択をしなければならない状況に立たされているケースも少なくありません。

このように、様々な選択肢を考えながら後継者への事業承継を行って行くことが必要になります。

 

 

事業承継の対象とは

事業承継にあたって、第1に検討すべきは、そもそも何を承継するのか、ということです。

承継の対象となるのは、会社の資産や人財だけではありません。

顧客、ノウハウや経営理念についても承継の対象となることを想定すべきです。

資産

会社の「資産」には、不動産、什器備品などの有形のもののほか、特許、のれんなどの無形のものがあります。
そして、これらを支配(所有)しているのは株主です。
すなわち、過半数以上の株式を保有している多数株主であれば、基本的に役員を選び、経営を左右することが可能であるため、会社を支配しているといえます。
したがって、株式の承継が事業承継の基本と言えます。

人財

会社には経営陣や従業員といった人財がいます。
会社のことをよく理解している人財がいなくなると会社の機能はストップしてしまいます。
したがって、事業承継において、人財の承継は重要と考えられます。

顧客

会社が売上を上げるためには、取引の相手となる顧客の存在が必要不可欠です。
事業承継において、事前になんの対策もせず経営者が突然交代すると、取引が打ち切られる場合があります。
このような事態を防ぐために、顧客をスムーズに承継できるようにする必要があります

ノウハウ

会社と一口に言っても、多種多様なビジネスがあり、そのビジネスに特有なノウハウをもっていてはじめて、会社は成長発展するものです。
ノウハウを円滑に承継できないと、顧客満足度が低下して契約の解消が想定されます。

 

 

誰に承継させるのか

事業承継の相手としては、親族(長男など)、会社関係者(役員や従業員)、他の会社(M&A)が想定されます。

これらについてのメリットとデメリットをまとめると、下表のとおりとなります。

親族 会社関係者 他の会社
メリット
  • 先代の考えを理解しやすい
  • 利害関係者らが受け入れやすい
  • 準備しやすい
  • 経営能力がある
  • 候補者を広く探すことができる
  • 候補者を広く探すことができる
  • 売却益を確保できる
デメリット
  • 経営能力がない場合がある
  • 相続人間でトラブルになる可能性がある
  • 利害関係者らが納得しないおそれがある
  • 株式の購入資金が不足している場合が多い
  • 会社の負債への対応が難しい
  • 売却の条件で交渉が難航する場合がある
  • 経営の一体性の確保が難しい
  • 組織文化の違いに従業員がついていけない

このように、後継者が誰であるかによってメリットとデメリットがあります

しかし、デメリットについては、事前の対策を行うことで、解消できる場合があります

したがって、まずは①親族、次いで②会社関係者、最後に③M&Aを検討するとよいでしょう。

なお、上記のどれも難しい場合は、廃業を検討することとなります。

あわせて読みたい
事業承継の方法

 

 

事業承継の流れ

zigyoshokei会社の現状を分析し、問題点を整理

事業承継は、まず、会社の現状を分析することが出発点となります。

現状を分析することで、問題点を把握することが可能となります。

当事務所では、事業承継の現状分析のためのツールをホームページ上に掲載しており、無料でダウンロードが可能です。

ダウンロードはこちらからどうぞ(書式「会社をとりまく状況」をご参照ください。)。

あわせて読みたい
事業承継関連書式集

 

各種対策を検討

セミナー問題点を把握できたら、その対策を検討することとなります。

また、各種対策を実行した場合、税務申告等も必要となる場合があります。

さらに、事業承継は、通常、10年程度(最低でも5年)を要すると言われています。

各種対策を行っていきながら、必要に応じて見直しを行い、修正する必要があります。

当事務所では、事業承継を円滑に行うためのツール(計画表など)をホームページ上に掲載しており、無料でダウンロードが可能です。

ダウンロードはこちらからどうぞ(書式「事業承継計画作成資料」又は「事業承継計画表」をご参照ください。)。

あわせて読みたい
事業承継関連書式集

 

 

まとめ

事業承継は、ゴールを見据えて、長期的なスパンをもって、事前に十分な対策を行う必要があります。

会社の現状分析、問題点の抽出、事業承継計画の策定、対策の立案、後継者の育成、利害関係者らへの説明など、実施すべきことが多く、会社独自で進めていくことは難しいため、事業承継に精通した専門家からご助言を受けて進めていかれることをお勧めいたします

デイライトには、事業承継に注力した弁護士、税理士等で構成されるチームがあり、事業承継を強力にサポートしています。

事業承継に関しては、当事務所までお気軽にご相談ください。

ご相談の流れはこちらからどうぞ。

あわせて読みたい
ご相談の流れ

 

 



事業承継についてもっとお知りになりたい方はこちら

●事業承継とは
●事業承継の方法
●経営や資産を引き継ぐ方法
●社長(経営者)が所有する株式について
●遺留分による紛争を防止する方法について
●事業承継において相続税はどのように計算するのですか?









顧問弁護士へのリンク