消費者庁は、平成29年2月14日に日本サプリメントに対して、景品表示法に基づく措置命令を出したことを発表しました。

消費者庁によれば、同社が販売していた「ペプチドエースつぶタイプ」をはじめとする8商品について、必要な成分検査を怠っており、販売している商品がうたっている効果成分を特定できないにも関わらず、広告を継続していたということです。

この点、景品表示法は、このような優良誤認表示について、規制の対象としています。

すなわち、商品やサービスに関して、一般消費者に対して、実際に販売しているものよりも著しく優良なものであると誤解させたり、他の会社のものと比べて、実際よりも著しく自社のものが優良なものであると誤解されたりするような広告や商品表示はできないことになっています。

優良誤認表示については、こちらもご覧ください。

 

トクホという制度は、1991年に始まったもので、今では様々な商品が許可を受けており、私たちの生活にもかなり浸透してきています。

今回、日本サプリメントは制度が始まって初めて、トクホの許可が取り消されてしまいました。

取消しの処分とは別に措置命令というものも同社に出されました。措置命令とは、景品表示法違反行為の差止め、違反行為が再び行われないように対策を講じることを義務付ける命令です。この命令に従わない場合には、罰則も適用されます。

 

加えて、昨年の4月1日から、不当表示を行った事業主に対するペナルティとして課徴金という制度が新たに設けられています。

課徴金の金額ですが、違反行為を行っていた期間(最大3年間)の売上額の3%が目安になります。仮に、今回問題となった商品の売上額が1億円であった場合、課徴金は300万円に上ります。

この課徴金については、三菱自動車の燃費改ざん問題で初めて適用されましたが、三菱自動車は4億8000万円を超える支払いを命じられています。

 

企業において、商品の広告方法は、マーケティング活動の最たるものであり、各々が趣向を凝らしたCMや商品表示がなされているところです。しかしながら、行き過ぎた広告方法の場合には、今回ご紹介した景品表示法の規制対象となってしまうので注意が必要です。

弁護士西村裕一イラスト優良誤認表示以外にも有利誤認表示という広告も不当表示として禁止されています。

有利誤認表示について詳しくは、こちらをご覧ください。

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