福井県おおい町でのドローン事故

平成29年8月に福井県おおい町でドローンが飛行中に鳥と衝突して墜落するという事故が発生していたことが報道により明らかになりました。

ドローンで事故が発生したときには、国土交通省や地方航空局に情報提供することが求められていますが、今回の事故も国土交通省に報告がなされています。

報道によれば、海沿いの駐車場から個人の方が空撮のためにドローンを飛ばしていたところ、トビと考えられる鳥と衝突してしまい、ドローンがそのまま海中に落下したとのことです。

鳥こうしたバードストライクがドローンの事故で報告されたのは初めてです。

飛行機に関しては、離発着する空港でバードストライク対策として、発砲などを行っていますし、飛行機の通常航行する高度には鳥もいませんが、ドローンの場合には、飛行高度は鳥の行動圏内ですし、空港のような設備を使用するわけではないので、バードストライクの可能性は飛行機に比べると一定程度あるといわざるを得ません。

今回の事故は、まさにそのリスクが現実化したものと評価できます。

不幸中の幸いで、今回の事故ではドローンが海中に落下しているので、けが人はいませんでしたが、場合によっては、墜落して人に当たってしまうケースも十分に考えられます。

 

 

ドローン事故模擬裁判の実施

ドローンドローンの普及が進んでいくに伴って、人身事故も増加していくと想定されていますが、先日、日本機械学会の法工学専門会議ではドローン事故の模擬裁判を実施しています。

この模擬裁判では、ドローン同士が空中で衝突して小学校の敷地内に墜落したことを原因に、近隣住民がドローン飛行の差止訴訟を起こしたというケースを題材にしたようです。

このままドローン飛行を続けていたら人身事故に発展することを理由として、差止めが認められるかが争点となりますが、模擬裁判の結果としては、差止めは認められませんでした。

こうした模擬裁判を通じて、ドローンの問題点や法規制の内容を精査していく必要がありますし、今後は、人身事故に関する模擬裁判も実施していく必要があると思います。

個人用ドローンに関しては比較的安価に入手できるようになってきていますが、飛行に際しては、ルールを守るとともに、ドローン保険にもきちんと加入しておくべきです。

また、万が一、ドローン事故にあった場合には、人身事故の賠償問題を専門的に取り扱う弁護士に相談すべきです。

デイライト法律事務所では、交通事故をはじめとする人身事故のご相談につき、専門の弁護士が数多く対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

 

 

弁護士コラム一覧