福岡地方裁判所小倉支部で工藤会幹部が殺人未遂の罪に問われた裁判員裁判の「声かけ」問題で、同裁判所は7月中旬、この事件を裁判員裁判の対象から除外する決定を出しました。
報道でも大きく取り上げられていましたが、内容としてはこの事件に携わっていた複数の裁判員が、裁判員裁判の期間の途中、被告の知人から「同級生だからよろしくね。」「あんたらの顔は覚えとるけんね。」などと声をかけたというものです。
裁判員法に基づき、これまでも本来であれば裁判員裁判の対象となるはず事件が除外され、専門職(裁判官)のみで裁判が開かれる事例はありましたが、期間の途中で除外されたということはありませんでした。
そもそも、裁判員裁判の対象となるはずの事件が除外される場合とは、
(1)裁判員(候補者を含む)の生命などに危害が加えられるおそれがあるか、生活の平穏が著しく害されるおそれがあり、
(2)裁判員が畏怖し、出頭確保が困難になった場合など
です。このような場合に該当すると認められるときは、裁判員を除外して、裁判官だけで裁判をおこなう決定がでることになります(裁判員法3条参照)。
今回の件は極めて稀なケースでしょうが、今後も生じうる事件であることを考えれば、裁判員を守るための制度の強化は必要になるかもしれませんね。
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